大型GW初日の今日2017年4月29日に、北朝鮮がミサイルをまた発射しました。
失敗とのことです。
北朝鮮関連は、ニュースも多数報道され続けており、その割には差し迫った危機(長距離ミサイル発射試験、核実験)がなかったことにより報道疲れして、関心も大きくはなくなっていたのではないでしょうか?
なぜか? 目安のひとつとして、株式市場がどう評価していたか、防衛関連危機のメーカの石川製作所の株価が以下です。
4/15の危機に向けて一気に株価があがり、それ以降は落ち着いてきてます。
本ブログのアクセスも大体同じ傾向でした。
韓国の大統領選が終わるまでは、なるべく北朝鮮に有利な大統領にするために、自制すると思ってましたが、予想外でした。
今回の背景と今後の予想と市場に与える影響を考えてみます。
今回の背景
まず、今回のミサイル発射もまた「失敗」となっています。
前回も失敗でした。
これは意図的ではないでしょうか?
成功すると緊張関係がますます厳しくなるのでわざと失敗したのではないでしょうか?
もし、成功していたとしたら、関係国が脅威に感じ、制裁を加える口実がまた増えることとなります。
黙ってはいないけど、少しずつ国際社会を試して、その反応を元に次の対処を考えるのではないかと思います。
なぜこのタイミングで実施したかですが、国連安全保障理事会の閣僚級会合を開いた後ということと米国の空母カールビンソンが朝鮮半島に近づきつつあることが原因と考えられます。
韓国の大統領選挙の後にしなかったのは北朝鮮にとって閣僚級介護や近づきつつある空母に対して「黙っていない」ということではなかったのでしょうか。
今後の予想
米国の対応の予想
米国は、北朝鮮の体制転換は望まなく、極力外交的、経済的な圧力で北朝鮮に対応するといってますが、すべてのOptionがテーブルの上にあるということで、軍事的対応も取りうるとします。
米国は、圧力をかけ続けるために、この軍事的対応のOptionはずっと取り続けると思います。
国連安保理の閣僚級会合では、石炭石油の輸出禁止等踏み込んだ経済制裁まで取らせることを各国と合意することまではいきませんでした。
他国にも北朝鮮制裁をより強化するように、この軍事的対応の可能性を緩めることはないと思います。
米国を狙う核兵器を搭載したICBMを独裁国家である北朝鮮に持たせることは絶対に避けたいからですし、北朝鮮の核技術が第三国やテロリストに売却されて、米国に対するテロリスクが増えることを許容しないはずだからです。
ただし、米国から先に北朝鮮を攻撃することは、可能性としては排除されてないとしても実行しないのではないかと思います。
被害が大きすぎ、核攻撃を受ける可能性があり、同盟国や関係国からも支持が得られないからです。
よって北朝鮮が先制攻撃をしてこない限り武力行使はしないと思います。
ただし、各国の対応が米国の思うようにいかない可能性もあり、米国は外交圧力を使いながらも単独行動に出ることもあり得ると思います。
そのために北朝鮮に先制攻撃させるような圧力をかける可能性があると思います。
また、北朝鮮が発射したミサイルをTHAADを使いすべて迎撃するということをして、北朝鮮の意欲を失わせる行動に出る可能性もあると思います。
逆に、時間をかけて北朝鮮がICBMの試験を実施し、ICBMと核技術を手に入れても、米国から攻撃をせず、制裁を加えたまま長期間の平衡状態になる可能性もあると思います。
時間はかかりますが、カストロ政権に対するように、長期的弱体化に切り替える可能性もゼロではないと思います。
北朝鮮の対応の予想
北朝鮮は、敵国に攻撃されないためには、核兵器を開発しつづけるというのは共通の認識だと思います。
米国の圧力に屈することはなく、ミサイル試験や核実験は、タイミングを見計らって続けるでしょう。
経済的な制裁の影響を減らすために、中国以外にもロシアとも仲良くなり、石油や石炭の輸入ができるように働きかけると思います。
完全に中国とロシアを怒られて孤立する道は歩まないと思います。
今回の国連安保理の閣僚級会合で経済制裁が具体的に合意されなかったのでホッとしているのではないでしょうか。
ただし、ICBMを開発してミサイル発射試験をすると、米国から攻撃される理由を少し与えるので、核実験はやったとしても、このICBMの発射試験は当面しないのではないかと思います。
北朝鮮も、自らが先制攻撃をすると、米国に反撃させる理由が出るのでなかなか踏み切れないと思います。
ただし、金正恩は若いので圧力をかけられ続けたら、暴発する可能性があると思います。
ニュースの画像を見ている限り笑顔で緊張した表情でもないので、そうならないのを希望しますが。
しかし最終的には、ICBMのミサイル発射試験をして、米国から攻撃を受けなかったら、このままICBMと核保有国となり、米国との関係は、平衡状態のまま制裁を受け続け、長い年月が過ぎる可能性があるとも思います。
市場に与える影響
今後の予想をまとめると、制裁に関する足並みも完全に揃わないので、長期的に、半年から一年程度以上は、米国は軍事的圧力を続けるし、北朝鮮もそれに対して挑発や対抗措置を続けると考えてます。
その緊張状態が続き、具体的な予想を超えるイベントがある度に、動揺が走り、地政学リスクとして、市場は暴落・低迷し、またしばらく平衡状態になったら元に戻るということを繰り返すと思います。
段々とそういうことに慣れて行くと、よほど新しい動きやよりインパクトのある情報でないと市場は反応しにくくなくなっていくと思います。
個人的には、今回のミサイル発射は、想定外だったこともあり、来週の市場は円高、日経平均は値を下げると見てますが、ミサイル発射が失敗だったことも加味されるので市場がどう反応するか、注目していきます。
どちらかの国が攻撃をして戦争状態になったらとんでもないことになってしまいます。
時間はかかるかもしれませんが、なるべく平和的手段で解決されることを望みます。