2020-03-22 AM11:07
新型コロナウィルス(以下コロナと呼ぶ)に関する防御対策について、自宅などの高齢者等(高齢者及び基礎疾患持ちの免疫が弱い人を総称してこう呼ぶ)についての具体的対策を検討しました。
記事は完成してない箇所もありますが、少しでも早めに情報があった方が良いと考え、途中でも公開していきます。コメント等頂ければ取り込みます。
また、その背景として、コロナに対するリスク解析をトップダウンからFTA*で、ボトムアップからWhat-if Analysis手法に基づいて実施しました。
* Fault Tree Analysis
記事は時々見直しますが、少しでもお役に立てれば幸いです。なお、筆者は、感染症の専門家ではございませんが、技術系でありリスク管理で生命に関わる内容の実務を国際チームも含め長年担当していました。また、高齢の家族の介護や看取りを行い、地方での介護や病院,ICUについても少しは知識があります。流行り目にかかり、ウィルス対策を自宅でしたこともあります。
自分の父を対象に記述しております。
対応は、あくまでも個人的見解であり、専門家から見れば違うことがあるかもしれません。実際の行動は自己責任でお願いいたします。当方では責任は負いかねることを念のため申し上げておきます。
ただ、少しでもお役に立てればという思いです。
対象と考え方
政府の感染症専門家会議の内容や海外のTV、メディア(SNS)などを見ると、一番信頼できる情報は、facebookの医療専門者のところの質疑応答の箇所にあります。
全般的には、被害となりインパクトの一番大きな高齢者等への対策がまず一番のはずですが、そこのProtectionの方法や周知、規制が足りないと感じています。
火事のたとえでいえば、若者の移動はもちろん、間接的には、感染数抑えることにより、火元を消す活動として、有効性はあるかもしれません*。高齢者等についてどう対応するか、特に医療的に専門家によって対応がされている高齢者対応の病院ではなく、家庭ではどうするか、について対策や意識が足りないと感じてます。つまり多少の感染があることを前提とすると、火事が起きている場所、起きそうな場所での対応が足りないと考えています。
* 学校の休校の政策などありますが、それをすることによって感染上昇を何%抑えると想定していたのか。そういう数値定義が主観量が入ったとしてもないので、事後に検証もできず、統計データも集まりません。
よって、対象としては、
- 家庭にいる高齢者等
- 介護施設にいる家族の高齢者等
高齢者等及びその人に接する人が特段気を付けることとアクション
考え方
政府の感染に関わる専門会議から出ている、換気が悪い、近い距離に多数の人、会話や発声の3つの原則は良くまとまった条件です。
ただし、対策を考える人は、イメージを膨らませ、0.2ミクロン程度と言われているウィルスが手の接触により、どこに付着し、会話により唾にまざってどう飛び、エアロゾルで空気をどう漂うか、イメージすることが重要です。
そして、それらが鼻、口、目から入っていくイメージも。(目からコロナが感染するか否かはわかりませんが含めています。)
すると自動的に、どういう行為が感染につながるかわかります。重要なことは、「自分は症状がないので感染してない」ではなく、「症状がないけど、万一感染していたら、どうすべきか」と考える事です。これは、リスク管理の手法で、What-if(もし、そうなったらどうするか)という発想手法です。
ここで重要なことは、「感染の原因はなんであったか」と追及することではありません。原因追及ではなく、万一起こったことを想定して、何を行動するか、という態度です。
それから、重要な考えかたとして、「人間はミスを犯す動物」という認識です。認識や行動は、完璧ではありません。ヒューマンエラーがあることを認識し、多重防御が必要です。他の人や自分が行う対策は、完璧でないことを想定してください。
そのエラーは、疲れ・過労、集中していたが故に回りが見れない、集中してなかったから、ミスをする、と多様です。行動学問的には、ヒューマンファクタと呼ばれる領域です。
2段防御の考え方
次に気を付けること、とアクションを考える前に、高齢者等を守るための防御の考え方を説明します。
防御は、生命が関わるので最低、2段防御で考えるべきです。つまり、一つ目の手段の防御がミスなども含めて失敗しても、二つ目の手段で守るという考え方です。
信頼性工学で考えると、一つ当たりの防御の失敗が5%確率だとすると、
両方失敗する確率 = 0.05* 0.05 = 0.0025
成功する確率 = 1- 0.0025 = 0.9975 = 99.75%になります。一段なら95%なので、+4.75%の向上です。
3段防御は、負担がさらにかかる方法になりますが、そらにとれれば、確率は、
1 - 0.05*0.05*0.05 = 0.999875 = 99.9875%まで、約+0.23%向上しますが、効果が少し落ちます。
医療関係者等は3段防御まで完全でないとしても近づいた方が良いかもしれませんが、そのことにより現場の疲弊がおこれば、それがさらにミスを誘発するので、判断は現場次第かと思います。
1段目の防御と対象
気を付けるというのは心理的には、Attitude(Affective)という態度・姿勢の部分です。そして、行動をとるというのは、Skill(Psychomotor)という実際の物理的アクション・行動です。
ここの部分を強調しながら説明します。
また、1段目の防御を取るのは、A. 認知や動作に問題がない高齢者等の場合は、その人自身、認知や動作に問題がある場合は、B. まわりにいる家族自身となります。
A. 認知や動作に問題がない高齢者等が気をつけること、及びアクション
- 接触感染が常にあるかもしれないと認識すること。
- 手で、目、鼻、口、顔を触らない。
- 無意識に触る、かゆくて触る可能性もあるので、マスク、眼鏡をする。
- ハンカチを準備し、かゆくなったら、ハンカチでかく。(ハンカチは、毎日変える)
- 寝ている時は、無意識に触っている可能性があるので、寝る直前に、手を洗う。また、寝る場所のまわりはアルコール消毒する。寝巻も同様。
- 外出は当面しない。用がある場合は、家族、または単身の場合は、ネットサービス等に頼む。感染者減等のニュースが入ったら解除する。
- どうしても外出する必要がある場合は、マスクをした上で、手に触れるものは汚染されているという認識で、タッチを極力避ける。エアロゾル感染が想定される場所にはいかない。
- 帰宅する場合には、そのまま直行で洗面所に行き、手を洗う。
- 同居家族で外部から帰宅する家族は本人の注意に関わらず、一番の感染源になり得ることを認識する。
- 来客予定もキャンセルする。学生、幼児は、特に感染しやすい環境にいるので、家に入れない。家族にいる場合も会話、接触を避ける。基本的には、自室に籠る。どうしても会話が必要な場合は、お互いマスクをして、手等による接触はしない。
- 家族についても同様のことを要求する。
- 家族とは食器を分け、家族には触らせない。家族が料理を作る場合には、事前に手洗いを徹底してもらう。
- 食材については、洗えるものは必ず入念に洗う。また、家族に洗うことを要求する。
- 飲み物については、他人と共有しない。また、他人に触らないように注意する。
- 風呂、顔を洗う際のタオルは、家族と物理的に距離を離した場所に置く。
- 外出が多かった人が最後に風呂を使用することとする。毎日残り湯を切り替え、清掃する。
- 顔と頭は、シャワーでしか洗わない。
- 洗面器は、別々のものを使用する。
- 洗濯は、濯ぎを普通より多めに設定する。
- 運動は必要だが、疲れすぎることは注意が出来なくなるので、避ける。
- タバコは、禁止。
- エアロゾル感染リスクを下げるため、自宅でも窓をあけて換気を常にする。
B. まわりにいる家族自身が気をつけること及びアクション。
- 自分がウィルスを持ち込んでいる場合がある、という認識をまず持つ。
- 症状がなくても、自分の対応が高齢者等の命に関わっているという認識を持つ。
あとは、Aで述べた箇所と同様だが、高齢者等に対しての対応(食事介助など)をすることになるので、その部分を以下に補足する。ただ、認知機能がないのか、動くことができないのかなどにより個別ケースごとに状況は違うと想定できるので、必要な場合は、適宜修正が必要。ここでは、認知機能に問題があり、動くことは可能な場合を一番シビアのケースとして想定する。 - 相手は、気を付けたり、行ったことを覚える、注意をするということができないと認識する。
- 外から感染源を持ち込まないのが一番であると強く認識する。
- 着替えは、高齢者等が入らない自室で、室内着に着替える。室内着と外着は、接触させないように、距離を1m以上離す。
- 外から持ち帰った、荷物も自室に置く。
- 外から持ち帰った食品類は、すぐに包装のアルコール消毒または水洗い、野菜は水洗いを行い、触られても感染しない状況にきれいに毎回する。
- 自分で触る場所は、Touchテープを張り、そこのみ触ることとする。その場所は、高齢者等がさわる可能性が一番少ない箇所を選ぶ。またその場所を毎晩アルコール消毒する。(以下、写真参考)
以下、記述予定。
2段目の防御と対象
2つの防御が独立であること
新型コロナのリスク解析
まとめ