fa6c3ac3efa278ec646810fb19788f50 s - マンション投資のリスク~失敗した20年分の確定申告実データ公開

資産運用

マンション投資のリスク~失敗した20年分の確定申告実データ公開


マンション投資を考えてるあなたへ

20年間マンション投資を実施して失敗してしまった私の実データを公開します。

背景として、マンション投資の3つのリスクについては、以下の記事にまとめました。

マンション投資3つのリスク~失敗の実データを詳細公開

 

今回は、詳細データの主要な部分として、まず、主に確定申告に使用したデータをもとに、毎年の収支がどうだったのか、紹介していきます。

失敗例の参照データとして、投資判断の一助にして頂ければ幸いです。

 

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マンションと投資の期間

マンションは新築ワンルームマンションで、横浜の物件。占有面積は16.20m2で、一階のものです。

設備としては当時しゃれていて、ベットは壁に収納できるものでした。

マンションを購入したのては、1990年2月2日です。(売買契約書日付)

完成が1990年6月29日で、物件の賃貸収入は7月から開始です。

売却したのが、2011年7月1日です。

合計、ちょうど21年の運用です。

 

マンション投資の確定申告の値の実データ

以下では、年毎に、確定申告のトータルの所得金額、実際のキャッシュの増減、税金還付額等をまとめました。

確定申告の所得ですが、家賃収入に対して、減価償却費、借入金利子、税・損保、手数料、修繕費等を引くことにより、決定されます。

減価償却費は、極端な例ですが、たとえば1000万の建物が40年で劣化して0になると考えると、毎年25万ずつ計上できます。(お金の支払いは実際ないが、毎年建物と設備が劣化により価値が減っていく分を申請できる)

また、実際にローンを支払った分をすべて控除できる訳でなく、金利の部分のみで、またトータルの赤字が土地分の利息より大きい場合は、その分を引かないといけません。

よって住宅ローンで毎月払う額はすべて確定申告ではカバーできませんので、毎月の本人のキャッシュベースでいくらの収支だったか別計算しました。こちらの方が真実を表すことになります。

 

確定申告額 不動産所得の部分 円 税金還付額* 円 家賃 円 ローン支払い 円 修繕費 円 経費 円 キャシュベースの収入 円 備考
1990
(H2)
▲816,689 80,000 279,182 449,240  0 311,495 ▲ 401,553  初年度なので経費が多い。賃貸は6ヶ月分。
1991
(H3)*
▲790,000 79,000 558,364 1,555,740 0 80,000  ▲ 998,376
 販売会社倒産 バブルはじける。
1992
(H4)*
▲730,000 73,000 558,364 1,555,740 0 80,000  ▲ 1,004,376
 
1993
(H5)*
▲700,000 70,000 587,640 1,555,740 0 80,000  ▲ 978,100
 
1994
(H6)*
▲660,000 66,000 587,640 1,555,740 0 80,000  ▲ 982,100
 
1995
(H7)
▲627,595 62,800 587,640 1,555,740 0 80,285  ▲ 985,585
 
1996
(H8)*
▲550,000 55,000 562,440 1,496,083 0 80,000  ▲ 958,643
 
1997
(H9)
▲509,464 50,900 562,440 993,882  61,383 80,000 ▲ 521,925  
1998
(H10)
▲266,177 26,600 562,440 954,185  0 80,000  ▲ 445,145
 
1999
(H11)
▲452,459 45,200 569,040 959,536 27,848 103,310  ▲ 476,454
 
2000
(H12)*
▲400,000 40,000 555,720 939,569 0 80,000  ▲ 423,849
 
2001
(H13)
▲372,728 37,200 555,720 905,411 32,392 90,409  ▲ 435,292
 
2002
(H14)
▲279,754 28,000 555,720 909,499 0 68,414  ▲ 394,193
2002.2オリックスに債権譲渡
2003
(H15)
▲276,023 45,420 555,720 5,739,707 95,550 60,172  ▲ 5,294,289
 ローン繰上げ返済2回
2004
(H16)
▲44,161 5,807 555,720 732,302  0 44,085  ▲ 214,860
 
2005
(H17)
▲223,129 25,140 543,720 568,902 114,502 49,094  ▲ 163,638
 
2006
(H18)
▲16,146 1,600 564,000 546,228 57,280 82,351  ▲ 120,259
 
2007
(H19)
15,960 ▲1,600 564,000 558,552 37,280 69,546  ▲ 102,978
 
2008
(H20)
48,587 ▲4,800 522,000 5,181,488 84,780 104,529  ▲ 4,853,597
 ローンすべて返済。
2009
(H21)
182,389 ▲18,200 406,720 0 0 45,977  342,543
 
2010
(H22)
202,150 ▲20,200 404,520 0 0 32,576  351,744
 
2011
(H23)
91,298 ▲9,100 202,260 0 0 30,140  163,020
 6ヶ月分
合計  ▲ 7,173,
941
 737,767  11,401,
010
 28,713,
284
 511,015  1,812,
383
 ▲ 18,897,
905
 

注) ▲は、マイナスの意味です。家賃は、実際の家賃からサブリースの経費と補修積立金を引いたものです。
* 確定申告書を保管してなかったため、関連データより類推。

 

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税金の還付額は、他の所得(株式等の売却益)がなく給料により分かっているものは明記し、それ以外は一律約10%バックとししました。(単数処置) よってこの部分は大体あってますが、正確ではありません。

キャシュベースの収支は、「家賃 + 税金還付額 - ローン - 修繕費 - 経費」で求めてます。経費は支払いベースです。

なお、当初のローンの利率は、固定金利で8.46%とかなり高いものでした......

途中で変動に買えて率を下げました。(最後の方では低金利になり3.3%の変動金利)

 

投資の結論

キャシュベースで見ると、ほぼ毎年赤字で、ローンを返却したあとの3年のみ黒字になってます。

これは、お金を稼いでくれる資産ではなく、単なる負債となる資産ですね。ロバートキヨサキが言うように絶対買ってはいけない資産でした。

改めて整理すると、結構ショックです......

一番下の合計欄で見ると、やはり住宅ローンとその金利が高すぎました。

金利で1000万位払ってますね。

トータルで見ると、毎年のキャツシュフローを足すと、約1889万の赤字となっています。

さらに、マンション購入時に支払った額と売り払って収入になった額を総計すると、

項目 金額 備考
購入時支払額 900,000 住宅ローン分を除いた額
売却額 3,660,000
キャッシュフローベースの収入 ▲18,897,905
合計 ▲16,137,905

20年間投資して、約1613万損したことになります!!

またまた、ショックです。うすうす感づいてはいましたが、あらためて計算するとショックです!!!!

 

その他の項目の評価ですが、税金は、約73万戻ってきましたが、焼け石に水です。

また、修繕費は、合計51万程度なので、そんなにかからなかったと思います。

経費は、税金、保険代、図書代、交通費等ですが、181万かかっており、少し多めでした。

 

 

まとめ

今回は、マンション投資の詳細データの主要な部分として、まず、主に確定申告に使用したデータをもとに、毎年の収支がどうだったのか、紹介しました。

ポイントとしては、以下です。

  1. 毎年のキャツシュフローを必ずプラスにする、そのためにローンは負担とならない借り方をする。
  2. 税金はたいして返ってこないのであてにしない。
  3. 修繕費はそれほどかからない。
  4. 家賃は物件が古くなるにつれどんどん下がるので注意。特に20年程度たったころから。(この時同時に積み立て補修金の額も毎月どんどんと上がります)

1についてですが、ローンの金利は、最後のほうは3.3%になりました。現在は低金利なので、その分ローンの負担は小さくなります。

3について補足ですが、修繕費は、約51万と紹介しましたが、家賃に入っている長期補修工事用の補修積立金は、当初は1030円、10年位したら、2690円に上がりました。この分がトータルで、約49万ありました。

よって合計で約100万でした。21年で約100万、1年で4.8万、一ヶ月で約4000円、まぁ妥当な額かと思います。(一戸建てが10年で120万位かかるとすると一ヶ月1万です)

ちなみに、補修積立金は、「このままでは資金が不足する」との連絡が入り、中身の資料を精査しましたが、2690円よりもっと上げても良いと思うような内容なので値上げに合意しました。

マンションは、当初の管理費や補修積立金は新築時には安めに設定し、あとあと倍以上になると痛感しました。

 

この表の結果から、もしもマンションを購入するとしても20年のキャツシュフロー表の試算では足りなく、30-40年程度試算したほうが良いと考えます。

20年目に物件を売るとしたら、買う人はそのあとの20年位を考えるからです。

また、改めてこのマンション投資で失敗して何を学んだかというと、

  • 絶対儲かると皆と自分が思っても、そうはならないことが往々にしてあることを学びました。
  • マンションの管理の全貌がわかり、自分でもし自宅用のマンションを購入するとしたら、判断含めた手間がそこそこかかることが分かりました。(よって自宅は、一戸建てにしました。10年で修繕費 0円です。)
  • 住宅を購入する時、高いものを買い大きなローンを組むことをしないように戒めとなりました。
  • 投資の有無を判断する指標として、ROI(Return On Investment)やDCF法(Discounted Cash Flow法)を勉強し、マンション以外の資産管理に役立てられるようになりました。
  • 今回作った表のように、資産管理の表を作り、毎月更新し、リターンを逐次測定できるようにしました。

失敗例の参照データとして、投資判断の一助にして頂ければ幸いです。

また、ローンや修繕等、補足のデータは以下をご参考に。

マンション投資のリスク~失敗!20年分のローン、補修等の実データ

 

 

 

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