注)アイコン画像はパトリオット
韓国にTHAAD(サード)と呼ばれる迎撃ミサイルが配備され、米国のハリス司令官が「日本にもTHAADを導入すべき」といったニュースが流れました。
THAADって何なのか、個別のサイトを見ても他の迎撃ミサイルとの関係が良くわからなかったので、いろいろ調べてなるべくわかりやすく説明してみます。
そして日本に必要なのか考えてみます。
THAADっ何?
簡単にいうと、核兵器などを積んできた弾道ミサイルを迎撃するミサイルで、他のミサイルでカバーしてない範囲を防衛するものです。
弾道ミサイルというのは燃料を使い果たした後、弾道軌道で落下してくるミサイルです。
弾道ミサイルでないものは、映画「トップガン」の空中戦で出てきたような相手の航空機を追尾するミサイルです。
これは弾道軌道とはならず、誘導装置で相手を追っかけて行くものです。
それでは、下の図をご覧ください。
日本には現在、イージス艦が対応する、スタンダードミサイル3(SM3)というものと、地上から発射するパトリオットPAC3という迎撃ミサイルがあります。
このSM3も、過去の北朝鮮のミサイル発射実験により、日本に既に導入済みだったのです! (知りませんでした....)
THAADはSM3とPAC3の間を埋めるものであり、この3つが揃うと、より多層的に防御ができるようになります。
例えば、イージス艦から発射したミサイルがもし外れてしまっても、THAADで対応できれば、より防御できるようになります。
あるいは多数のミサイルが発射されてSM3で対応できなくても、THAADで対応できるようになります。
上の図は概念的なもので、実際の対応範囲がこれと同じかどうかわかりません。防衛上機密だと思われますので、ネットで調べても情報は出てきません。
THAADは、「Terminal High Altitude Area Defense missile」の略で、終末高高度防衛ミサイルを意味しています。
図で言うと、最高高度から落ちてきて、終末段階に入り、高高度の領域となります。
射程距離は各々以下の情報がありました。
ミサイル名 | 射程 |
SM3 | 700km |
THAAD | 200km以上 |
パトリオット | 20km |
出典: 米国Wikipedia
この数値も日本のWikiにはすべて載ってなかったので、米国のWikiから持ってきました。
SM3については射程1000kmとしている情報サイトもありますが、本当の値はわかりませんし、開示されないのではないでしょうか。
なお、THAADの説明については、わかりやすい画像がYoutubeで載っていました。
英語ですが、画像を見ているだけでもどういうものか分かります。
THAADって日本に必要?
韓国にはTHADDが配備されましたが、韓国は北朝鮮との間の距離が近いので、SM3よりシステムが簡単なTHAADをまず導入したのだと思います。
しかもトランプ大統領が「THAADの費用10億ドル(約1100億円)を韓国に払って欲しい」
といって分かったように、これは韓国が購入したのではなく、米国が配置したことが分かりました。
SM3の場合は、イージス艦が必要となるので大がかりな対応となるんでしょう。
日本は、対応策として、SM3を既に導入済みです。
THAADがあった方がより多層的な対応ができるのであった方がベターだとは思います。
でもかなり費用がかかるので、
- 韓国のTHAADで日本に対するミサイルも迎撃してもらう。
- ミサイル防衛したとしても、日本にスパイが侵入してミサイルに搭載するような大量破壊兵器を持ちこむ可能性もある。
ということも考えるとあとは費用対効果の問題だと思います。
射程が200kmなので、全国に配備は無理なので、配備するとしても限られたエリア、首都圏でしょう。
でも防衛するよりも攻撃する方がしやすいということもあるので、なるべく知恵を絞って平和的な手段で解決することを望みます。