東日本大震災の時、放射能対策で、甲状腺ガンにならないために、ヨウ素が効くという話しがあってヨードチンキを薬局に買いに行った人がありました。
放射性ヨウ素が甲状腺に溜まる前に他のヨウ素を飲んで甲状腺を飽和させておけば安心だという説明でした。
結局、内服するものではないので、飲んではいけないとの話でした。
他にヨウ素を沢山含んでいる食品として昆布がありますが、これは効かない、デマだという話しと効くという話しがありますので、北朝鮮の核兵器を使用されるリスクに対して、防災グッズのひとつとして必要か否かを見極めるために調査してみました。
放射性ヨウ素とは
放射性ヨウ素は原発事故や核兵器が使用された場合に放出される主要な放射性物質で、半減期が約8日と短いです。
他の放射性物質はセシウム、ストロンチウムがあります。
甲状腺ホルモンを作るのにヨウ素が使われてます。
よって取り込まれたヨウ素は甲状腺に集まるようになってます。
大気中にこの放射性ヨウ素が拡散しますのでそれが体内に取り込まれて甲状腺に集まると甲状腺ガンになる危険が出ます。
まずはマスクで防御です。
食べ物や飲み物からも吸収されるので放射性ヨウ素を含む食品・飲料をとった場合に問題となります。
放射能対策に昆布が効かないという説
話しの出所は、放射線医学総合研究所HPに東日本大震災直後の2011年3月14日に以下の記述がありました。
ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません -インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-
わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。
・ 含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・ コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収まで の時間がかかります。
このあとには昆布について放射線医学総合研究所からは発表はない模様です。
この記事をもとに、消毒剤を飲んではいけないとの認識が広がったと思います。
また昆布についても否定的な意見となってます。
そのため、東日本大震災の時も昆布を求めて買いに行くこともなかったです。
放射能対策に昆布が効くという説
もっとも信用できる情報は
ネット上の記事でも昆布が効くという説はありますが、実験データをもとに立証したものがなく、なかなか情報にたどりつけませんでしたが、以下のYoutubeの中身を見たら、実際に自分で人体実験をした高田純教授の画像がありました!
高田純教授は、放射線防護の専門家であり、放射能対策に昆布が効くとのことです!
その量は30g
この画像の投稿日はなんと2011年3月20日とのこと。
東日本大震災の直後ですが、ご自分で実験されたのはそれより前になります。
昆布を食べた場合と、ヨウ素剤を飲んだ場合と比較実験をしたようです。
あとで述べますが、論文等を読んでも溶液中にヨウ素は簡単に抽出できるので、それを飲んだらヨウ素剤の代わりにはなるので、放射能対策には昆布が効くと考えます。
どの位の量必要か
昆布のヨウ素含有量ですが、最新データは長昆布、真昆布、利尻昆布対象に各々可食部100gあたり、210mg,200mg,230mgです。
出典:文部科学省 日本食品標準成分表2015年版
その三種類の昆布は北海道のものです。これ以外の昆布のデータは出典資料にはありません。
他のデータでは、この三種以外でもすべてが200mg/100gを上回っており平均で約500mg/100gとのことです。
出典:循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業
よってばらつきが200~800mg/100gと想定できます。
平均は482mgとのことでばらつきがあることを念頭に計算上使用します。
昆布からヨウ素は出汁をとる要領で抽出することとします。
同出典から、90度15分の熱水で45%、60分で60%近い量が抽出されるとのことなので、震災時には時間もあまりないことにより、この15分45%で抽出できるとの値を使用することとします。
以下の表に当てはめると、例として計算は新生児の場合、
12.5 mg ÷ (0.45 x 482mg ÷ 100 ) = 5.8 gの昆布が必要。
年齢 | ヨウ素量 | 昆布量平均 | 昆布量 幅(推定) |
新生児 | 12.5mg | 5.8g | 2.4g~9.6g |
生後1ヵ月から3歳未満 | 25mg | 11.6g | 4.8g~19.3g |
3歳以上13歳未満 | 38mg | 17.6g | 7.3g~29.2g |
13歳以上40歳未満 | 76mg | 34.8g | 14.4~57.8g |
40歳以上 | 投与しない | 必要なし | 必要なし |
年齢とヨウ素量の出典: 原子量教育を考える会
高田純教授も30mgの昆布に100mgのヨウ素が入っていると言われているので、この表の13歳以上40歳未満の76mgにあてはめるとオーダ的にはあってますね。
放射線医学総合研究所は、「含まれる安定ヨウ素が一定ではなく」といってますが、この点は当たってますね。
量をコントロールできる意味では安定ヨウ素剤がいいです。
いざという時に手にはいるか否かは不明ですが。
実際使用する値としては平均値を目安で使用するのでしょうか。
心配だから多めに取るかは個人の判断によります。
また、ヨウ素は取り過ぎてもいけないとありますが、日本人は欧米人としてヨウ素を摂取する食事が多いため、取り過ぎに対する耐性はある模様です。
でも取り過ぎは何日にどの程度でだめなのかというデータはないです。
安定ヨウ素剤も一回だけ服用とあるので、一回、一日こっきりであれば、安全を見越して多少多めにとっても良いものではないかと個人的には考えます。
でも妊婦や新生児の場合は、取り過ぎのリスクも多少考慮する必要があるのでは抑え目にする....との判断も有りだと考えます。
この辺りの判断は自己責任でお願いいたします。
また、40歳以上は、必要なしとなってます。
40 歳以上にヨウ素剤を投与しないのは、放射性ヨウ素によって甲状腺がんの発生率が増加しないためと説明しています。ただし線量が5グレイを越えると予測されるときは放射線により甲状腺機能低下が起きるため40歳以上でも服用します。
出典: 原子量教育を考える会
でも私も40歳以上ですが、念のためにいざという時は、飲んでおきたいのが心境ですね。
まとめ
北朝鮮が核攻撃を万一した時のことを考えて、防災グッズ(食品)のひとつとして乾燥昆布を常備しておくのは必要と考えます。
保管に気を付ければ昆布は何年でも持つとのこと。
あるいは日々の料理に使いながらロテーションさせても良いでしょう。
乾燥昆布を出汁をとり飲む前にもちろん、放射性物質を吸わないようにマスクをする、窓を閉める等の対策がまず必要ですので忘れずに。
スポンサーリンク
いつも読んでいただきありがとうございます。記事内容が役に立ったら、ボタンを押してシェアして頂ければ同様の記事にさらに熱が入り励みになります。