2011Chart 1 - 東日本大震災等の危機・有事での円高はなぜ?本当の理由~私も売った

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東日本大震災等の危機・有事での円高はなぜ?本当の理由~私も売った


日本に危機が起きたら、なぜ円安でなく、円高になるか?

これは、私が約20年前の2001年から海外の投資を始めてからの最大の疑問でした。

危機が起きると、株が暴落する、よって、その時は日経平均の売りPositionを立てる、というのは、体験してわかってきました。

そして、その疑問は、東日本大震災の時に、頂点を迎えました。

「どう考えても日本の危機だから、今回は円安だろう」

ところが結果は短期的には大幅に円高になりました。でもこれはよく考えると、自分のとった行動そのものが円高要因だったのです。

2018/5/11時点で、「東日本大震災 円高 理由」と検索して、記事を7つ位見ますが、納得するものはありません。なぜかというと、円高にした張本人の解説がないからです。

でも、私が実はその張本人の一人だったことにあとに気が付きました。私は個人投資家なので、サイレントマジョリティです。

これらのことは、どこの記事にもなってないので、その貴重な体験と見解をお伝えしますので、楽しみに記事を読んで頂ければ幸いです。

 

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東日本大震災の時は何が起こったか。

上部の画像は東日本大震災の時の為替チャートです。

2011年3月11日に円高になって約一週間後の3月17日には大きな下ひげが出てとんでもない、パニック的な極端な円高になってます。

私は関東に済んでいて震災時は、帰宅できなくなり、またリスク管理も会社で行っていました。2011年3月11日以降の新聞を保存してあります。改めて3月17日近辺で何が起こったか説明します。

3月16日の新聞によると、4号機の建屋では水素爆発、2号機で格納容器下部の圧力抑制室は破損し、施設内で放射線量が急上昇しました。一時400ミリシーベルトになりました。

私自身、恐怖の「メルドタウン」を想起させる超一大事でした。

メルトダウンを検索して調べ、ロシアでの影響範囲を見て、「これはまずい。関東や東京にいても、チェルノブイリの例からは被害範囲。実家のある山口まで帰らなければ....」と真剣にその計画を作り、地図を印刷していました。

「極端な」と思われるかもしれませんが、国際間の組織でリスク管理やリスク管理の訓練を専門に多数の人間に実施しているので、起こりえないことを想定して、その対策を考え、訓練や準備をする、というのは、私の頭が勝手に考える習慣ができてしまっています。

 

「赤の広場に置いても絶対大丈夫なチェルノブィリ」

「神でも沈めることのできないタイタニック」

といわれたこれらがどうなったか皆さんご存知のとおりです。

 

3月15日に、日経平均が1015円安と大暴落しています。

3月17日前の相場の心理も相当、パニック的な状況で、この時は危機時ではありますが、相場の心理と値動きが思うように読めました。

3月17日に、株が暴落するが、なぜ円高か?というのは皆疑問であり、新聞でもニュースでも取り上げられましたが、満足する開設は一切ありませんでした。

説明としては、「日本の保険会社が保険金支払いのために海外資産を売り、円を買ったため」との説明でしたが、「そんなの本当かよ」と思いました。

到底信じることができないと強く感じました。

なぜかというと、「そんなに早く保険会社が対応するはずがない」と考えていたからです。(保険会社の人がそうした、という情報もありません。もし、保険会社の人で、そういうことをした人がいましたら、情報提供頂ければ幸いです。)

その他の説明でも、「海外の投機筋とヘッジファンドが円買い」と説明がありましたが、信じられません。なぜなら日本の大災害時に、そんなことをわざわざリスク覚悟でしかけることが考えられないからです。

だって、もし円安になったら、大損失で、また「こんな日本が大変な時に強欲な」と非難されるに違いないからです。いくらお金儲けが仕事でも、人間として、モラルがあったと私は想定しています。

 

ではなぜ円高? それは私のように海外資産を売ったから。

では、なぜ円高になったのでしょう?

これはかなり疑問でしたが、実は、自分は以下のことをしました。

1)日本の危機が海外にも伝搬し、海外相場も大きく崩れてどこまで落ちるかわからない。よってリスク資産は、海外に投資した投資信託一旦すべて売り。

 

これが何を意味するかですが、海外の投資信託は、日本の証券会社経由で買ってます。つまり、海外の投資信託を売ると、それらはすべて円で証券会社の口座に入ります。つまり、

 

海外投資信託で売ったドル => 日本の円を買う

 

これで円高確定です!

 

私と同じようなことを個人投資家がしたとしても、その情報は、一切企業には流れません。機関投資家がすれば、それは流れる気がしますが、今まで、その事実は出てきてないようなので、機関投資家は、「様子見」だったと想定します。

自分と同様のアクションをとった個人投資家が多かったと想定しています。

これは、数値で証拠はでていません。ただ、証券会社に海外の投資信託の解約のデータの日次のものなどを提供してもらうとわかるでしょう。

実際、検索しても、「東日本大震災で円買いした」という人や組織は見当たりません。でも、私は自分で多量に円買いしています。したつもりはまったくありませんが、ドル建ての投資信託を売ったので、結果的にそうなっているのです。よって、これは事実です。

 

「だけど、それが少額だったら、対して影響ないのでは」

とか、思われると、想定します。

でも私の資産はほとんど海外資産にしているのです。

なぜか?

それは、金融ビッグバンにより、海外の口座が持てるようになったことにも関係もしてますが、今から20年前の2000年位には、政府の財政赤字が500兆円位(2018年の半分位)あり、財政が破綻すると言われてました。

よって、財政破綻により、

  • 急激な円安
  • ハイパーインフレ
  • 預金封鎖・新円切り替え

との図書が多く、本屋にあり、それを私も信じてました。何せ、その頃から、政府は収入より支出が多いことを継続しており、改善する気配がなかったからです。(2018年現在も同様であり、大きなリスクを感じしております。)

 

では、国民はどう対処するか?

その解は、「海外投資」することでした。

日本企業の成長率・利益率が低いことも、日本株投資でわかっており、投資信託も海外のものにしていきましたが、日本株投資から、中国株、米国株投資に全面的に切り替えています。

日本株や日本企業を対象とした投資信託に投資しない、「フル海外投資家」に変貌していたのです。

よって、そこそこの資金を全力投入していました。

資産を有している人で、勉強している人は、私と同じような行動をとった人も一定数すると想定しています。なぜなら、海外の証券投資のお金も増え続けているからです。

 

2011年の外国への投資額を見るために日銀の資金循環統計や財務省のデータを見ましたが、2011年や3月に大きく売った傾向はみられませんでした。月次データまでで日次データはありませんでした。改めて自分の投資履歴を見ましたが、3/15に売って、大暴落した3/17から打診買いをして、それから7月までに大体買い戻しております。よって年間を通すと売り超したわけでもありません。
また、手数料が惜しいので、なるべくノーロードの投資信託を選ぶようにした記憶があります。

 

 

危機が起きるとなぜ円高?

東日本大震災以降も、為替レートをウォッチして、世界にリスク、大事件や不安による円高になることを何度も見てきました。

今までの例と同様ですが、対外的に証券投資(株、投資信託)をしている個人や組織などが、一旦売るためと考えてます。海外まで投資する場合は、国内投資だけでなく、リスクには敏感になっていると考えます。

また、海外の投資の場合は、為替リスクも存在します。よって、投資しているお金を引き上げるのも、ダブルのリスクがあるため、それなりに早くまた規模も大きくなるのではと考えます。

でも、「外国人投資家が日本株を売ると、円安になる。特に外国人投資家の存在割合は、日本で大きいので、成り立たないのではないか?」との疑問があると思います。

それに対しては2つの説明ができます。

 

  1. 2018/9/E時点で、海外から国内への証券投資は、405兆円。それに対して国内から海外への証券投資は、597兆円で、約200兆円海外向けの方が多い。
  2. 海外の個人投資家が日本に特化した投資信託や株式を積極的に売買する比率は多くないと想定する。なぜなら、企業に対して長期的に保有している株式が多いからである。逆に、日本の個人投資家が海外に特化した投資信託や株式はリスク回避のため積極的に売買する比率はより多いと考える。

 

2については、日本の家計の海外の株式・投資信託等残高だけで見ると、同データで、283兆円、それに対して海外全体の日本の株式・投資信託等残高では、241兆円です。額で言っても売却の恐怖によるモチベーションでいっても日本人の方が多く対応したと考えます。

 

 

さらにその他の補足的な理由も考えてみます。

相対的には安全資産の円という説明???

多く説明されてきたのは「相対的に安全資産と言われる円の買い」です。

この「相対的に安全」というのが理解できません。日本の財政赤字は莫大です。安全と思ってないはずです。

なお、これは、リーマンショックの時に、欧米の金融機関に比べ、日本の金融機関が健全だったので、その時、相対的に安全と言われるようになったと思います。

また、それ以外の解釈としては、以下の理由だと自分では考え納得してます。

国が財政赤字がひどくても、連帯保証人の企業や個人はそれを上回る資産を有する。

そのためいざという時国はその連帯保証人からお金を巻き上げられる。

日本人は勤勉で良く働いて、モラルも良く尊敬でき、世界に良い製品/部品を今後も出し続ける。

この、「連帯保証人」説と、日本人への信頼性説が一番納得できます。

日本の対外純資産は世界一。

皆さんも海外の投資信託をもっていないでしょうか?

また、海外から見れば日本の消費税は8%で低い、ヨーロッパは25%とかあります。

20~25%の国があることも考えられればまだ増税の余地があります。

また、日本人への信頼がかなり大きいことも重要です。私は企業での国際ビジネスでも、当初は全然信頼ないですが、その後、ヨーロッパよりも米国に信頼を勝ち得たこと、それから輸出ビジネスをしていても、日本からの同じ中古製品が一番高く売れること、を見ても日本人への信頼は絶大です。

日本人として生まれただけで、「国際ブランド」がついて、世界の競争に有利なのです。これは複数の異種のビジネスの経験から実感しています。

よって、海外から見ても連帯保証人とセットで考えた日本国は一番安全であり、また、日本人が世界で一番信頼できるのでという考え方です。

国にお金がなくても、国にいる企業や個人から増税で融通できるでしょう、と世界は見ることができる、というのが私の解釈です。プラス日本人の世界ブランド。

よって「相対的に安全資産と言われる円」ではなくて、「純資産世界一で、日本人への信頼がある円」といって欲しいです。

 

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まとめ

東日本大震災や、日本に危機がある時に円高になる、それはどうしてかを説明してきました。

  • 「日本人投資家が海外の資産を売る」
  • 「純資産世界一で信頼がある円」

という理由で東日本大震災の例も検証しました。

ただ、為替の相場はどうなるかわからない、というのも感じてます。自分としては、この事態が起きた時に、FX等で他の資産の損失をカバーするための取引をする、というのは絶対避けたいと思ってます。

個人として確信が持てないからです。

=> 個人として確信が持てるようになりましたので、トレンドを見ながらももカバーする取引をするでしょう。

なお、この条件には前提があり、以下の条件により、くずれる可能性があります。

「政府の財政悪化により、円が信任されなくなる」

ただ、この時でも、日本人投資家は危機時に、海外資産を売るので、その傾向は出ると考えています。なお、その時に、円に交換するのでなく、ドルでそのまま保有すると、そのストーリも崩れる可能性があります。

 

追記:2019/1/29以下の記事が出ましたが、私の認識と同様なことが記述されております。危機が来て円高になれば、それを知っている人は、FXでドル売りも仕掛け利益が出ますね。よってさらに円高が加速します。

 

 

 

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