2017年の時点で、ニューヨークダウや日経平均は、ほぼ右肩あがりで、7,8年たっています。
サイクルからするとそろそろ大暴落が何かのきっかけで来るかもしれません。
それは、北挑戦との戦争かもしれませんし、他の理由かもしれません。
ここでは、過去にバブル崩壊で大儲けした先人や、バブル崩壊を予見した人について、長年情報を集めてきた上で具体例をお示しします。
過去の3つのバブルについて、バブルの原因と事象、そこで大儲けした人のロジックをご紹介します。
バブル崩壊、ITバブル崩壊、サブプライム・リーマンショック
直接、対応した人による記録ですので、真実味があります。楽しみにしてください。
今後のバブル崩壊に少しでもお役に立てば幸いです。
なお、現在進行中の最大のバブルは仮想通貨です。これについても最後に語ります。
バブル崩壊
バブルの原因と事象
まずは、1987年にブラックマンデーという、NYダウ下落率22.6%という最大レベルの暴落がおきました。
世界大恐慌の1929年の時でも12.8%の下落でしたので、とても大きい下落でした。
ただ、この時、日経平均は、14.90%下げましたが、翌日には、9.30%あげました。
この1987年は、私がちょうど会社に就職した年でしたが、株式投資もしておらず、こんなニュースは記憶にも残ってません。
ただ、この近辺では、「Japan as No 1」で日本に対して相当強気だった記憶があります。
ただし、このあと、日経平均は、下がるのではなく、1989年12月29日の最高値 3万8957円44銭まで上がっていきました。
NYダウも切り返して上昇しています。
ただ、日本の金利は、1989年5月から上昇させています。
公定歩合が、1年3カ月の間に5回上げられ2.5%から6%台になりました。
金利の上昇としては急でした。これでは一気に経済が冷えますね。
まず日経平均の最高値が崩壊したのは、この金利上昇が原因と考えます。
この頃、職場で聞いた話は、「マンションをローンで買ったら、値上がりしていてとても儲かった」とか、六本木のワンルームマンションを買ったら、儲かったので、売ってポルシェを買った、とかの話を耳にするようになります。
日本には、「土地神話」があり、日本の土地は有限で、人は増えるので、土地の値段は永遠にあがる、という類の本が本屋には一杯出てました。
そして、私も1990年7月からワンルームマンションを購入して、投資を始めて、失敗したことは本ブログにも詳細に記述しました。
この頃、同時にあった話としては、不動産や自宅を所有してない人から、「不動産が高すぎるので、もう買えない、なんとか政府はするべき」との声でした。
そこで政府がとった策が、1990年3月の「不動産の総量規制」。
融資する量を抑えるというものです。
さらに、金利が上がっていくこととなりました。
この時には、もう日経平均株価は、すでに33000円代に下がってます。
そして、この総量規制と金利高により、不動産価格がどんどんとさがり、それとともに日経平均もスパイラル的に下がっていったのです。
日経平均が下げ止まったといえるのは、約3年あとの1992年後半です。
自分のマンションでいえば、総量規制以外にも「税額控除の額の縮小」がありました。
これで、マンション投資熱を政府は覚まそうと思ったのでしょう。
大儲けした人
二人います。
ひとりは、有名な藤巻健史さん、もうひとりは、アパグループ代表 元谷外志雄さんです。
それでは、このふたりがどう対応したのか、記していきます。
藤巻健史さん
藤巻健史さんは、「伝説のトレーダ」と呼ばれている人です。
彼を有名にしたのが、このバブルの時の大儲けでした。所属するモルガン銀行に莫大な利益をもたらした人です。
藤巻さんは、円安が必要論者であり、政府の破綻・超インフレが起こると言及してます。
これは10年以上、ことごとく外れてますが、結構私はファンであり、図書を昔から良く読んでました。
参考になるのは、今後の政府の見通しではなく、彼のトレーダとしての部分です。
藤巻氏は、不動産業の親戚から、実際の取引のデータを得ており、都内20箇所を定点観測をしていたとのことです。
そういう中で、1989年ある人から「ビルの維持管理費が高くなり、賃料収入で賄えなくなった」と聞きました。
そして海外の人から、「日本の地価は異常に高いのではないか」と聞きました。
このふたつにより、藤巻氏は、不動産価格や維持管理費がかなりオーバーシュートしている、経済は下降する、「逃げるなら今だ!」と考えたとのことです。
ここが藤巻さんのすごいところだと思います。
イケイケドンドンで、土地神話がある中、皆と違うことをするのは、とても勇気が必要だったと思います。
しかも、日本はバブルが崩壊した経験が戦後にはないので。
ただ、ちょうど1990年あたりに私がマンションを買うときに、何となく父親に土地の値段を聞くと、「ここまであがるのは異常なので、さがるはず」といってました。
私は、その意見を受け入れることはできませんでしたが、土地バブルを経験してなくても、世界のバブルなどを勉強していたり、あまりに突出していたら、理性ある人は判断できたのだと思います。
そして藤巻氏は、株の値段が下がったら、資金はすべて債権市場に向かうと予想し、それがみごとにあたり、大儲けしたのです。
この当時は、株の他に投資するものは、今のようには沢山なかったので、債権にお金が流れるというのは、自然なことだったと考えます。
重要なことは、ビジネスとして、回らないような賃料になっていること、裏を返せば不動産が高すぎることを実データと証言から掴んだことです。
藤巻さんの図書では、特に、賃貸利回りがXXX%になっていて異常とかの紹介はなかったとの記憶です。
私のワンルームマンションで、利回りは2%代でしたね。でもローンは、8%後半。こんな案件、今にしては良く買ったと絶句しますね。
でも、皆値上がりを夢見て買ったのです。
元谷外志雄さん
次の方は、元谷外志雄さんです。
たまたま、金沢に用事があり、中国と図書の撤去とかでもめているらしいAPAホテルが値段も安かったので、初めてとまることになりました。
すると、図書が数冊部屋にあり、また、何回も読まれたようで、はじがめくれ上がってました。
こんな体験は、海外のホテル含めてなかったので、さぞや内容が面白いのではと感じました。
中国の話も面白かった、というか今までの自分の考えも変わってきたのですが、元谷さんがどうやってビジネスを築いてきたか、説明がありました。
そこには、なんとバブル崩壊の対応の話が載っていたのです。
「ホテルのサービスやアメニティが結構いいなぁ」と思いましたので他の話も含めて本が欲しくなりました。
その本が欲しくてフロントにいったら、「ここにはないですけど、すぐ目の前のもう一件のAPAホテルにはあります」とのことで、そこに出かけ買いました。
片町のAPAホテルですが、実は、そこがAPAホテル第一号だったとのことです!
話をもどします。
元谷さんは、海外に出かけることや旅行も多く、米国人と不動産投資の話をしていたとのことです。
元谷さんは、ブラックマンデーが起こってから、土地の値段について考え方を変えていったそうです。
企業の保有している土地の値段があがれは、株もあがるが、株が下がれば、土地の価格も下がることはあるはずだと。
そして、土地神話は、やっぱりおかしいと思ったとのことです。
そして、収益還元法で土地の値段を計算すると、どの土地も3倍から5倍高かったことが分かったとのことです!
収益還元法
例えば、不動産価格が、1000万で、収入が年50万あるとすれば、年利5%です。不動産を買う人が大体年利5%を求めているとすれば、逆に収入がわかれば、不動産価格を逆算できます。よって収益還元法と呼ばれています。
例えば、収入が年100万なら、5%の年利なら価格は、2000万。それが、6000万や、1億円になっていたら、高すぎるのです。
DCF法
収益還元法よりもさらに進んだのが、Discounted Cash Flow法による計算です。ここでは、国債などの参考利回りも含めて計算を行います。
そして元谷さんは、ブラックマンデー以降、土地を買うのをやめ、不動産の売却を始めたのです!
これってすごくないですか?
藤巻氏でも気がついたのは、1989年、その2年前から売り出すとは....
しかも元谷さんが語っているように、不動産価格は、1988,1989,1990年と上がっていきましたので、この3年は、他の人から見れば、「売って失敗している」と思われたそうです。それでも信念で続けたことが凡人ではありません。
そして大もうけしますが、税金がこの頃は、60%を超えて高かったので、航空機リースで減価償却、その儲けをさらに、ホテル事業立ち上げで減価償却と、利益を相殺しながら、今のホテル事業を築いていったのです。
この先見の銘は、フジマキさん以上です!
買い時を3年間耐えることも必要
と教えてくれますね。
ITバブル崩壊
バブルの原因と事象
次は、ITブームによるITバブルの発生と、そのバブルITバブルの崩壊です。
きっかけは、1995年のWindows95の発売です。これとネットにより、PC使用環境が大幅に変わりました。
この頃は、米国の景気と株価も良く、暴落しないので、「ニューエコノミー」が来た、今までの理論では説明できない、IT技術により今までにない成長ができるようになった、という認識がありました。
日本でも異常な株価の状況があり、光通信、ソフトバンク、トランスコスモスなど、大幅に株価があがり、また新興IT企業も20代の社長が上場したりしてました。
光通信の社長は、この時、世界第五位の富豪になってました。
この頃は、日本人も米国人の知り合いも、かなり積極的に、株の売買をやってました。
ITバブルの崩壊は、1990年のバブル崩壊のように、明確なきっかけはありませんでした。
「異常な株価に皆が気付き、株価が下がっていった」とのことです。
ソニーの株価も異常に高く、CEOの出井さんが、「株価が高すぎる」と発言して、値段が少しさがって非難されていたのを覚えています。
今で言えば、PERが異常に高かったのですね。100を楽に越えていましたから。
米国のAOLにいたっては、PERは700倍ありました。
米国のFRB議長のグリーンスパンは、「根拠なき熱狂」と呼んでました。
暴落に明確なきっかけはなくても、例えばPERという指標でみると、割高になりすぎていたことはわかります。
これは、今後のバブルを占う意味での重要な内容です。
大儲けした人
ITバブル崩壊で大儲けした人、というのは残念ながら、今までの調査では、いませんでした。
まぁ、しいていえば、バブルの波に乗らなく、その当時は若干さげすまされかけていた、ウォーレン・バフェットです。(数年あとになってから、やはり偉大だったと再評価されます)
2000年、ITバブルが崩壊した年には、何と26.6%もバークシャの株式は上昇しています。
2001年もプラスです。
ついでに引きづられて暴落した株を安値で買ったのですね。
サブプライム・リーマンショック
バブルの原因と事象
2008年のリーマンショックの前に、まず2007年のサププライムローンによる、株価の暴落があります。
この頃私は、米国出張が多くて、米国のマネー関係の雑誌も良く目を通してました。
これらの雑誌は、一方向的な記事でなく、両論書いてあることもありました。
でも、アメリカ人は楽観的なのか、サブプライムローンに対しては、「対処して、乗り切れる」と思っている、と私は受け取りました。
よって、それを信じたい私、株価があがって欲しい私も、「そうだよな」と思いました。
この時に、売りで利益を得られる方法を身につけていて、先見の明があれば良かったと後悔しています。
リーマンブラザーズが破綻したのは、2008年9月15日でした。
皆、政府が救ってくれるだろう、と思っていたので、大混乱に陥りました。
大儲けした人
ここで大儲けした人に、何とまた、藤巻健史さんが出ます。
この人は、大暴落を当てる「神」ですね。カミワザ...
藤巻氏、2008年9/Eまでは、株、不動産と外貨商品を買っていたそうです。
ところが10月6日に、持っていた日本株(指数取引)すべてと米国株(現物株)半分を売り払ったのです。
暴落に対応するために、やはり一日で売り払ってますね。逃げるときは全力疾走ですね。
これもトレードとしては参考になります。
その理由ですが、
9/29に米国下院を金融安定化法案が通過しましたが、否決されてNYダウが777ドルも大幅下落しました。
それであわてて、修正し、10/3に通過、賛成されましたが、それでもNYダウは、157ドル下げたそうです。
藤巻氏は、大きな不快感で、
- 「これだけの法案が通ったのに下落した」
- 「今後、株価を上昇させるようなニュースは考えられない」
- 「マーケットは、金融システム不安が深刻化すると見ているのではないか」
- 「そうすれば恐慌になるのではないか」
と考えたとのことです。
この1の観察と、マーケットの動きからマーケットの心理を読む3が、藤巻氏のすごいところだと思います。
この観察力と、マーケットの反応から、大衆心理を読む技術、今後の暴落時にも欲しいスキルですね。
予言していた人
つぎに、サププライムローンの問題を、違った角度と理由から予想している人がいました。
副島隆彦さんです。
2004年3月に発売された図書にて、予想してました。
FFレートが下がっていく中で、米国の国債が売られ、長期金利があがる事象を観察して、住宅ローンが払えなくなる人が急増すると....
長期金利は、住宅ローン金利に連動していて、個人向けのローンは債権化され、ファニーメイ、フレディマックが巨額の債権を引き受けてます。
長期金利上昇により、この債権化されて抵当証券が暴落し、アメリカ金融恐慌が起こると予想しています。
また、同時に、デリバティブ投資が損失を出し、大恐慌になると。
デリバティブは、LTCM破綻の時の約40倍の規模になっており、1%焦げ付いても55兆円もの損失になると、これは公表している銀行の帳簿にはないけど、いずれ明るみに出て爆発して、アメリカ債権・株式市場は暴落を開始すると。
そして、「2005年から数年以内に大恐慌が日本にも襲いかかる」といってます。
この通りに当たってますね。
この中では、サブプライムローンの仕組みまでの解説はないです。
ただ、住宅ローンの問題やデリバティブの爆発をいいあてたことはスゴイと思います。
副島さんは、
- 長期金利動向と不動産ローンの関係
- 不動産ローンと抵当証券暴落の関係
- デリバティブと焦げ付きリスクの関係
この3つを論理的に考えて予想されてました。
金利のサイクルから見ても予測はできて良さそうですが、当時、そういう発想と考え方もなかったです。
このあたりを見抜いたところはやはりすごいです。
米国/日本の経済誌はずっと読んでましたが、日本人で、このような前から言い当てた人はいないと思います。
米国人でもいなかったと思います。
副島さんも、藤巻さんと似たところがあって、予測があたらないことがずっと続いています。
預金封鎖やハイパーインフレになる、という点を長く図書で説明されてましたが、長期間にわかって、たぶん10年以上でしょう、当たってないです。
ただ、預金封鎖の世界が何なのか、ハイパーインフレについても、見地を与えて下さりました。
また、図書の中で、ハイバーインフレや預金封鎖に負けない資産運用を提唱されました。
いろいろ方法は、ありましたが、自分として一番興味があったのが優良海外ファンド(ヘッジファンド)です。
この説明もとても参考になりました。
2004年当時は、ITバブルが弾けてやられてましたので、バブルが弾けても儲かるものを探していましたが、それがこれらのファンドでした。
この時の説明では、ファンドによりますが、期待収益率が8%~30%です。
解約するのが大変で本ブログでも記事を書きましたが、なかなかいいリターンをあげられました。
ただし、私が購入した以外の、同時に掲載されていたものは、うまくいかなかったものもわりとありました。
まとめ
バブル崩壊を予測し、大儲けした人が世の中にはいることがわかりました。
そのロジックをまとめると、
- 不動産価格が収益還元法や維持費等の指標で説明できないほど高くなった
- 値段がさがらなくても3年位待ち続けた
- 長期金利が上がって、不動産融資や抵当証券が暴落することを想定できた
- デリバティブ取引が膨らみすぎて、少しの焦げ付きで大きな暴落が出ることを予見できた
- 経済的にとても重要な法案が可決されても株価を下げたことを異様ととらえた
- 株価でいえば、PER100倍以上など異常を異常と認識した
- もともと割高な価値のないものには、皆がしてても投資しなかった
そしてわかったら、「一気に売り逃げ」です。(7番のバフェットの対応を除く)
ということです。
不動産、金利、デリバティブ、法案、株価との関係、これらが暴落を生き延びるためのキーワードですね。
追記2017/12/03)
仮想通貨は実態と価値の裏づけが資産的にないものだと認識しています。ただし、試用してください、とのコメントもあって、かなりの取引所をOpenして、論文を読んだりしています。現状は、Bitcoin中心にオルトコインを複数保有しており、国内取引所ではサービスが良くなり、リスク対応もしているbitFlyerを使うようになりました。
かなりの利益があがるようになりました。
基本的な認識は「ばくち」と思っており、投資割合は抑えてます。このバブルは近々何かの理由で崩壊するかもしれないし、2,3年から4,5年続くかもしれない、異常な高値になるかもしれないと考えてます。よっていざという時に売り抜ける臨戦態勢にして資金を投入しております。
これほどのバブルは1980年後半やITバブルよりも大きいです。何せレストランにいけば、ビットコインの話をしていますし、年輩の人も投資する、株などしてない人も口座を作りだす....100年に一度?位のバブルです。
バブルは必ず崩壊します。よってバブル崩壊研究をする私としても参戦しています。崩壊前に売りぬける...これが一番重要です。 ただし、ここが他の投資案件と違うところですが、崩壊したあとに、実態の価値がないものについては価格が0となることです。よって安値で買い戻す発想はききません。なにしろ、価値が0になるのですから。
ただし、価値が0にならない機能を残した仮想通貨があるとしたら、安値で買いをするかもしれません。1990年のバブル崩壊からすると、高値の80%~90%下落すると踏んでいます。
注)投資、投機は自己責任でお願いいたします。
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