2017年8月29日に、北朝鮮がミサイルを、日本をまたいで発射しました。
このこと自身は、好ましいことではありませんが、貴重な情報がいろいろと収集できました。
このイベントにより、
J-Alertが鳴らないことがあるの?
鳴って何分余裕が有る?
伏せる正しい姿勢は?
について説明していきます。
なお、ここで述べていることはあくまでも個人的見解であり、実際どう行動するかは自己判断と自己責任でお願いいたします。
J-Alertが鳴らないことがあるの?
結論として、実データからすると、鳴らないことが良くあります。
「鳴らない」とは、屋外スピーカから警報音が鳴らないとの意味です。
2017年8月29日の、ミサイル通過に関しては、16市町村でトラブルで、屋外スピーカがならなかったり、メールが届かないなどのトラブルがあったとのことです。
メールは、いざという時には、通信回線がパンクでもしたらこない可能性がありますが、屋外スピーが鳴らない、というのは、問題です。
2017年8月17日には、J-Alertの訓練をしましたが、屋外スピーカは鳴らさなかったとのことです。
いざという時に生死をかける対応になるかもしれない、大量の税金をかけたものが機能しないのは困りものですね。
以下のような基本的な問題があると考えます。
- J-Alertと屋外スピーカまで含めた、総合的な試験をそもそもきちんと実施してない。
- 屋外スピーカの設定が運用上、きちんとした設定になるか徹底がなされているか。
- 8月17日の訓練は、「本番」を模擬したものでないので、こういう問題を発見できない。
他に、テレビや携帯の通知などで、知ることもできますが、ここに頼り切るわけにはいきません。
- テレピは、見ていないと気付かない。
- 携帯の通知は、設定ミスや、回線パンクなどで機能しない可能性がある。
よって、一番信頼したいのは、屋外スピーカなのです。
でも、今後、追加の試験などでシステムとして必ず機能するようにしたとしても本番で100%鳴るか否かは、安全サイドとして、保障はできないと思ったほうが良いです。
例えば、ミサイルを打つ時に、北朝鮮により、回線に関わるシステムがハッキングされて、通知機能が妨害されたら、通知されなくなりますね。
よって、もし鳴らなかった時には、どうするのか、鳴った場合には何分くらい余裕があるのかについて、次に考察します。
もし鳴らなかった時にはどうするのか
いろいろな事情があり、鳴らなかった時にどうするか、です。
J-ALERTは鳴るべきだ、と思っていても、自分や家族の身は自分で守る必要があります。
- J-ALERTが鳴らなくとも経験したことがないようなビカッとした光が見えたら核攻撃と認識する。
- その場合、即座に、一秒以内にその場の床/地面に完全にうつぶせに伏せる。少しでも閃光が当たるのを避けるためと衝撃波対策のため。
また、閃光を見たらすぐ伏せるというのも、ロシアの軍人に対しては訓練がなされているとのことです。
鳴って何分余裕が有る?
もし、J-Alertが鳴ったとしたら、非難する場所に移動するまで何分の余裕があるかは、疑問でした。
個人的な予想としては、安全サイドに30秒から1分と考えてました。
今回、J-Alertが発令されたので、参考になるデータが手に入りました!
まず、ミサイル着弾は、今までの資料などの調査によると、着弾する場所にもよるけど、6,7分から10分といわれてます。
これも、北朝鮮からの距離と、それからどこまで上方を飛んでいく軌道なのか、によって影響を受けます。
また、ミサイルの性能にも影響を受けるはずです。
よって、一律には決めがたい値ではあります。
2017年8月29日に打たれたミサイルは、ロフテッド軌道(かなり高く飛んでいく軌道)ではないので、着弾の時間は、ロフテッドのように、長くはなりません。
では、時系列にイベントを以下に記します。
- 5:58 ミサイル発射
- 6:02:30~40秒 J-Alert 日本への飛来情報を通知 (注: 第一報であり、日本に落下するとの情報ではない。ただし、避難を呼びかける。)
- 6:07 北海道通過
- 6:12 襟裳岬の東約1,180キロメートルの太平洋上に落下
- 6:14 J-Alert 日本を通過した情報を通知
発射してから、4,5分後にJ-Alertは発令されました。
また発射から着弾は、20分です。
距離で比例しているとすれば、例として、東京、岩国は、今回の着弾地点の約2/5,1/4なので、
東京: 発射からの着弾は、8分
岩国: 発射からの着弾は、5分
4:30の検知からJ-Alert発令までの時間は、近くに落ちるから時間が減るとも思えないので、それぞれから4:30引くと、
J-Alertがなってからの対応余裕時間は、
東京: 3分半
岩国: 30秒
よって、30秒から1分と考えてましたが、このまま比例しているとの前提でいうと、
場所にもよりますが、30秒~3分半あります。
ただ、最悪ケースは何かというと、最大高度が低い「Depressed軌道」です。
この場合は、より厳しくなるので、もしも、半分の時間で到達するとすれば、
東京: 発射からの着弾は、4分
岩国: 発射からの着弾は、2分30秒
この場合は、J-Alertが4分30秒通知にかかっていたら、間に合いませんね。
「それならJ-Alertなんていらないじゃないか」と思うかもしれませんが、最悪ケースに考えたら、間に合わないかもしれませんが、そうでない場合もあります。
その場合、事前の通知により、広島の原爆と違い、助かる人が増えるのでとても役に立つシステムです。
最大限に有効活用されるべきシステムです。
また、最悪ケースといいましたが、Depressed軌道の場合は、最大高度が低いので、逆にパトリオットPAC3で迎撃しやすいはずです。
では、どうするか、ですが、そもそもJ-Alertが作動しなかったら、閃光を見たら、すぐ伏せるんでしたね。
住んでいる場所にもよりますが、例えば東京なら、3分位は、避難(地下をさがす、堅牢な建物をさがす)のに時間を使い、もしも、その途中で閃光を見たら、すぐに伏せる、という対応を私なら取ります。
伏せる正しい姿勢は?
伏せる姿勢がテレビなどの訓練やネット上の記録で見ますが、とても気になってます。
きちんとうつ伏せて完全に伏せてないからです。
そもそもの核兵器に対する防御の目的ですが、
- 閃光による殺傷やけどを防ぐ。
- 衝撃波による、ガラス破片などの高速飛散と自分自身が吹き飛ばされるのを防ぐ。
- 初期放射線を防ぐ。
この中で、姿勢に関する特に重要なものは、2の衝撃波によるものです。
用語の定義は別にして、「爆風」というと、風をイメージして、あまり強くないイメージを持ってしまうかもしれませんが、来るのは音速を超えた「衝撃波」です。
それによって窓ガラスなどが割れて、凶器化して高速で飛んできます。また、衝撃波自身に体がさらされるとぶっとばされます。
よって、横から、斜め上方向に対して、なるべく地面すれすれに低く構え、また衝撃波でぶっとばされないためには、地面に這いつくばうように伏せる必要があると考えます。
そうでないと、吹き飛ばされて、どこかの壁に高速で激突しそうです。
(以下図参照)
まとめ
J-Alertシステムについて、鳴らないことがある可能性を言及しました。
そうだとしても、鳴ってくれた場合に、被害を最小限に食い止めるには、とても良いシステムです。
核攻撃の場合は、鳴ったあとの避難までの余裕時間は、住んでいる場所にもよりますが、30秒から3分半あることを前提におきました。
住んでいる場所を是非考慮に入れてください。
また、伏せる場合の正しい姿勢も解説しました。
一番重要なことは、もしJ-Alertが鳴らなくても「1秒以内に、地べたにうつ伏せに伏せる」です。
いざという時がこなければいいですが、万一の場合に備えましょう。
また、ここで述べたことは個人的な見解であり、実際の対応は、個人個人の判断と自己責任でお願いします。
また、あまり恐れてばかりいてもいけないので、以下の記事をご参考にどうぞ。
北朝鮮からミサイル落ちた時の致死の確率【怖がりすぎる必要なし】