2017/9/5追記
北朝鮮が戦争状態になって、もしも日本に化学兵器、生物兵器や核兵器搭載のミサイルが落ちた場合について、いろいろな記事で対処方法についてご説明してきました。
参考記事はコチラ↓
最近東京の知人とあったら、「北朝鮮は怖いけど、ニュースが多すぎて慣れてきた」、「本当にミサイルとか落ちてくるのか」などの話がありました。
落ちた時のために、こういう対応をとれば良い、そうすれば助かる可能性は高い、と説明しました。
また、どの位の確率でミサイルが落ちるのか、自分の住んでるところにくるのかとの質問が来たので、
「確率は、ほとんどないと思えば、備えをしなくなるので10%位あると自分は想定してる。でもミサイルが関東に落ちたとしても瀕死の状態になる確率はとても小さい」
とお話しました。
今回は、致死の状態になる確率がなぜとても小さいかご説明します。
リスク管理は重要ですが、実際、戦争が起こってミサイルが落ちてきても致死に至る確率が小さいとわかれば多少安心できます。
日本中が不安になっているので、今回は、多少不安を払拭できる情報をお伝えします。
注) 2017/9/5追記
北朝鮮が核実験を2017/9/3に実施しました。想定以上の能力を持った模様なので、本記事は改訂します。残念ながら致死の確率があがることになります。
政府の公式見解でもなく、地方自治体や研究機関の公式見解でもありませんので、あくまで参考としてご覧ください。
影響する距離のまとめ
以前の記事で整理した内容は、以下でした。
北朝鮮からミサイルが落ちた場合を想定して、着弾地点で直撃の被害を受けなかった人が影響する距離は以下。
化学兵器「最低5km~50km、風下が危険」
生物兵器「半径約200キロ」
核兵器 最悪「影響距離は風下方向に200キロ」(直撃の範囲は別)
直撃箇所に近くなければ、対処の時間もあり、それをしっかりと準備していれば致死の状態になる確率は小さいです。
しっかりとした場所に閉じこもっていれば良いのですから。
それでは、そうでないケースですが、それは、直撃箇所にいた場合です。
一番影響の大きな核兵器を考察します。
核兵器の場合の直撃致死確率
核兵器の場合は、爆心地に近くにいて、初期の放射線や、衝撃波に耐えられなかった場合が、致死の状態の確率が高くなります。
それでは、その致死の距離について考察します。
前提:
関東地区めがけて核兵器がミサイルで落ちる。
北朝鮮の核能力: 15キロトン級*
*実験を繰り返しながら大きくなってます。現在の実験までは10キロトン級といわれてます。今後実験を繰り返し150~200キロトン級を狙う模様です。広島の原爆が15キロトン級でしたので、広島の例を参考にするため、15キロトン級と、50%多めに想定しました。
追記: 2017/9/5 小野寺防衛相が今回の実験は、120キロトン級になるとの試算を発表し、水爆の可能性も否定できないと述べました。上記に述べたように、150~200キロトン級に近づいています。以下では、120キロトン級で追加計算します。
なお、1954年のビキニ環礁での水爆実験では、15Mトン級でしたので、120キロトン級の125倍もあったことになります。
考え方としては、広島の例で、瀕死になる距離を求め、その半径から面積を求めます。
そして、その面積が関東一帯の面積の何分の一になるかで瀕死の確率を求めます。
ここで参考にした図書が、高田純教授の図書です。この図書は良く書かれているので、実際、危機状態になっていも持ち歩きたい図書です。
それでは、この図書から、瀕死状態、逆に言えば生き残った人のいた距離について引用します。
爆心から500mの電車内で衝撃波を回避
閃光を感じた直後に、とっさに中に伏せた。閃光の瞬間から大塚たちの電車が飲み込まれるまでの時間は、わずか1.7秒と推定される。
これら乗客に大塚は遮蔽されて、閃光の直射を免れたのであろう。
出典: 核災害で生き残れる人、生き残れない人 高田純
すなわち、爆心から500mの距離でも初期放射線をあびないように人などの遮蔽物があり、すぐ伏せて、衝撃波を絶えれば生き残れた例です。
なお、広島市のHPによると、爆心から1.2km以内にいた人は、50%の確率でその日に死亡したとのことです。ただし、この時は、当然核兵器に対する理解や対処の方法も皆知りません。
知れば、その確率は増えてたはずです。
広島市のHPより、瀕死の状態になる距離を各々調べます。
初期放射線
爆発後1分以内に放射された初期放射線によって、爆心地から約1キロメートル以内にいた人は、致命的な影響を受け、その多くは数日のうちに死亡しました。
出典:広島市HP
500mの例でもあるように、遮蔽物があれば、1キロ以内でも助かる可能性はあります。一分以内とあり、初期放射線は一瞬でないので、まず伏せて、そこが遮蔽されてなければその間に少しでも遮蔽物のある場所に逃げるのが重要です。
広島の例では、障害物の陰にいれば、500mでも助かってます。
よって瀕死の距離は、ここでは0.5~1Kmと想定します。
追記: 120キロトン級になりました。致死の範囲は、2.3Kmに修正します。
(100キロトンで、線量レベルが致死のレベルは、1.9キロ。これを比例計算した)
熱線
爆発と同時に爆発点の温度は摂氏100万度を超え、空中に発生した火球は、1秒後には最大直径280メートルの大きさとなりました。
爆心地から3.5キロメートル離れたところでも、素肌の部分は火傷を負いました。
出典:広島市HP
核弾頭が小型ほど、火球が早くできて消えます。でも時間は、たったの1秒。1秒以内に対応をとるのはとても困難そうですが、広島の例では500mの距離でも、閃光が見えてから伏せて助かってます。すぐ伏せましょう。
それから夏でもなるべく長袖を着たほうがいいですね。また、危機が近くなったら、大き目の帽子とかを常にかぶって外出の方がいいですね。
致死の距離は、ここでは0.5~3.5キロとします。
追記: 120キロトン級になりました。100キロトン級で、第三度熱傷レベルが4.5km。比例計算すると、5.4kmだが、火球が多くなり、時間があることにより、適切な防御があることを前提にすると、概略1キロ~5キロと推定します。
衝撃波
その次にくるのが衝撃波です。音速以上できます。
衝撃波は、爆発の約10秒後には約3.7キロメートル先まで達し....
爆心地から半径2キロメートルまでの地域では、爆風により木造家屋はほとんどが倒壊し、鉄筋コンクリート造の建物も、崩壊はしないものの、窓は全部吹き飛ばされ、内部はことごとく焼失するなどの大きな被害が生じました。
爆風により人々は吹き飛ばされ、即死した人、負傷した人、倒壊した建物の下敷きになって圧死した人が相次ぎました。
出典:広島市HP
3.7キロなら10秒、1キロなら2.7秒ですね。熱線よりは、到達が少しだけ遅いです。これも熱線(閃光)を見たらすぐ伏せることが重要です。爆心地に近いか否かはわからないので、まず伏せて、そのあと伏せたまま建物の中心や外なら影に移動ですね。
これも繰り返しですが、広島の例で500mで助かっている例はあります。すぐ伏せるか否かが重要です。
致死の距離は0.5~2キロとします。
追記: 120キロトン級になりました。衝撃波の粉砕されたガラスによる半径致死範囲は、約2倍として、概略1キロ~4キロと推定します。
まとめ
以上をまとめると、一番距離が大きいのが熱線被害の0.5~3.5kmです。
追記: 120キロトン級では、2.3~5kmです。
熱線は、近い距離だと最大の光線が1秒以内にくるので、閃光が見えはじめたらとにかく間に合わないかもしれないけど、すぐ伏せて被害を少しでも避けることが重要です。広島の生存者の例を記憶にとどめましょう!
もしもJ-Alertがなったら、もう少し余裕がある可能性があるので、とにかく伏せることが重要です。
では、関東に住んでいるとして0.5~3.5kmに入る確率がどの位か....
東京中心から横浜までの円をその範囲とします。
東京から横浜までで約35kmです。
よって、面積上の確率で言うと
0.5Kmの場合
0.5*0.5/(35*35) = 0.02%です。
3.5kmの場合
3.5*3.5/(35*35) = 1%です。
追記: 120キロトン級の場合
2.3kmの場合
2.3*2.3/(35*35) = 0.43%です。
5kmの場合
5*5/(35*35) = 2.0%です。
15キロトン級の場合、1%だと少し怖いですね。でも、変な光を感じたら即1秒以内すぐに伏せる、長袖を着る、とかすれば、リスクは減らせるので、そういう対応をして、0.02%ににもっていければ、放射線被害は多少は出ますが、そんなに怖がらなくてもいいレベルかとも思います。
120キロトン級の場合は、0.43%~2%にまでなります。これも上記と同様、対策をとればとるほど致死リスクは減ります。
値としては大きくないですが、北朝鮮がより大きな核兵器を作れば、この確率も上がっていきます。
なお、今回の核兵器で、「山手線内が壊滅」とありましたが、危機をあおりすぎと個人的には考えます。なぜなら、「壊滅」の意味が明確でないです。致死かどうかが一番重要です。
1キロトンの爆発では半径1.5キロの範囲内に遮蔽物が何もなければ全員死亡
とありますが、15キロトン級の広島の例では、500mで生きている人がいました。遮蔽物に逃げる、伏せるなどの対応をすぐとれば、広島と同じにはならないのです。
対策をいわずに不安をあおっていると思います。まぁ、マスコミがそういう風に報道したのかもしれませんが。
何度かいったとは思いますが、ピカッて閃光をみたら、
「1秒以内に地面にうつぶせにすぐ伏せる」
これが重要ですよ。特にキロトン級があがればあがるほど、火球が大きくなる時間もかかります。
15キロトン級で1秒で最大の火球になったのに対して、1Mトン球では、10秒です。
120キロトン級では、ひとこえ、4秒くらいでしょうか? 対応できる時間はより増えるのです。1秒オーダですけど。
また、J-Alertが聞こえたら、もう少し対応時間があります。
J-Alertが鳴らない!鳴っても何分余裕が有る?伏せる正しい姿勢も解説
ちなみに交通事故で死亡する確率は、0.003%、風呂で溺死も0.003%、自○で0.02%ですのでご参照まで。
まとめ
北朝鮮の状況は、日本の市民にとっては、脅威ですが、心配だけしてても、幸福な生活はおくれません。
きちんとリスクと、対処方法を認識すれば、結構脅威ではないと考えることもできます。
ここでの検討例では、関東の場合、致死に至る確率は核兵器の場合、0.02%~最大2%と、試算しました。
条件として、閃光をみたら、即座に1秒以内に伏せることです。
また、この0.02%も、落ちる場所が関東でなく、他の箇所が4箇所位と想定したら、さらにその確率は減ります。
もし、その確率内に入ったら、事故と思ってあきらめるしかなく、それまで精一杯生きましょう。
でも確率は小さいので、心配せず、リスクに対する準備はしっかりして、日々の生活を幸せに過ごすと良いと思います。
また、参考ですが、核兵器の能力が15キロトン級、追記は120キロトン級を前提にしました。
北朝鮮が核実験を続けて、この能力を高めると、当然、致死の状態になる距離が大きくなり、確率もあがります。よって、核実験を続けることが、自分の生存確率を下げることになっていると認識しないといけないですね。
「もう、核兵器もっているから関係ないのでは?」ということにはならないです。
なお、ここで述べた内容は、あくまで個人の見解ですので、その範囲でご参照ください。
実際の災害に対しての結果については一切責任は負えません。
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