北朝鮮がICBMをアメリカの独立記念日である7/4に発射しました。
今まで超えてはいけないレッドラインと見られていたのは以下二つでした。
- ICBMの発射実験
- 核の小型化実験
このうち、ひとつが実施されました。2も時間の問題でしょう。
今回は、投資家としての観点から今後を予想してみます。
もともとはどういう予定だったか
米国
2017年4月の時点で話し合われた内容は、「体制転換を求めず核開発をさせない「最大限のプレッシャ」をかける"としてます。ただし、"北朝鮮が行動を変えたら交戦状態には成りえる"と。」
これはNSC(National Security Counsil)全員の決定でした。
現在は外交的圧力を一番にして、中国に100日猶予を与え、対応をさせようとしてますが、石炭の輸出を禁止しても、原油の禁輸まではしてないです。
また、4月から100日たとうとしてますが、北朝鮮には痛手はないようです。
よって、効果は薄いようです。
また、もしも中国が禁輸をしたとしても、ロシアは同調しないでしょう。
よって、米国はまず外交努力を続けるにせよ、それが効かなかった場合、どうするか、が課題です。
恐らく、中国とロシアの今の動きをみると外交圧力は効かないでしょう。
また、中国とロシアは、「対話によって解決」といってますが、対話で解決するのはあり得ないですね.....いままでできなかったのに、できるようになるストーリは考えられません。
北朝鮮
北朝鮮から見たら、時間かせぎをしながら、着々とICBMや搭載する核兵器の実験・開発を進めるでしょう。
そのことが、一番、金正恩と北朝鮮の体制維持になり、また強気に今後交渉できるからです。
今までの動きを見ると、特に時間かせぎをする様子もないですね。
ICBMと核を手に入れて、国際的に有利な立場で、制裁解除などの交渉をしかけてくるでしょう。
なお、これで開発は終了ではなく、次なる開発は、MIRV化だと予想します。
これは、Multiple Independently targettable Reeytry Vehicleの略です。
これは、弾頭の部分に複数の弾頭を持ち、落下時にそれらのものが別々の場所を目指して飛行するものです。
途中から複数の弾頭に分かれるので対処がより難しくなります。
どんどんと脅威が高まっていくことになります。
今後のあり得るシナリオは
今後は、ふたつのシナリオがあると考えます。
1つ目のシナリオ 長期平行線
これは、米国とキューバのような関係です。
お互い国交を断絶して、米国は北朝鮮に対して禁輸措置や制裁をかけ続けるでしょう。
でも、北朝鮮は米国に頼らない中国やロシアとの経済活動を通じて生き延びていくと考えます。
また、北朝鮮が第三国にミサイルや核兵器を輸出することが最大のリスクになり、国際社会からの監視も厳しくなりますが、秘密裏に輸出していくと想定します。
よって、当面の衝突はないにせよ、兵器拡散により、世界はより不安定になっていきます。
2つ目のシナリオ 米国から交戦開始
レッドラインを全部超え、外交努力もしたけど効かなかった場合、米国から交戦開始する可能性があります。
その理由ですが、
- 独裁体制の国家から直接脅かされることを米国が許容できない。
- 北朝鮮に捉えられていた米国人が死亡した。
- トランプ大統領の支持率が悪いが、戦争によって支持率をあげられると大統領が考える可能性が大きくなっている。
可能性としては、3が一番大きいでしょう。なぜなら同じ共和党のブッシュ大統領が「イラクに大量破壊兵器がある」という理由で、戦争を始めた実績があるからです。
韓国の被害や韓国への対応も重要ですが、自国(自分)を一番大切にすると考えます。そのために軍事力を持っているので。
投資としてどうすべきか
上記2つのシリナオが起こる可能性は、
1つ目: 2つ目 = 60: 40
と考えます。
二つ目は、どうしても韓国に被害が出るのが目に見えているので、抑制もかかる、と考えるからです。
投資として、1番目の場合は、特に短期的には気にすることはありません。
でも2番目のシナリオになったら、株式市場は短期的には、大暴落するでしょう。
戦後でこのような経験をした人はほとんどいないので、恐怖の方が多くなると予想します。
また、ことしの4月も日経平均は下げました。
ただ、一般的に戦争になっても、一か月位は暴落することがありますが、それほど長期に暴落することはありません。
「戦争と株価」3つの法則~第一次・第二次大戦からテロとの戦いまで
戦争になるには段階があり、まず空母4,5隻が北朝鮮近海まで集結することになります。
この「戦争に本当になりそうだ」と思える時期を2,3回に分けて分散して保有ポジションを売却するのが良いです。
そして戦争状況が終息しそうな時期に2,3回に分けて同じ案件を購入していく、というのが良いです。
いずれにしても、相場の心理はチャートで判断するしかないので、売りに関しては、パニック売りが突然くるはずなので、なるべくそれより前に売りをしかける。
買いについても、チャートを見たうえで、買い上がりそう、と考えて行動することになります。
「ほっといてもいいんじゃない?」
確かにそれも考えの一つです。
でも私は、こういう状況で大衆心理や相場がどう動くかは、想定できる度合いが高いと考えてますので、積極的に売買することになります。
まとめ
北朝鮮をとりまく状況が、ICBM発射によって、緊迫してきました。
今後あり得るシナリオとともに、投資家の観点でどう行動すべきかを検討しました。