アップルが1千億円相当のファンドを作って、米国でAdvance Manufacturingの仕事を作って行くというニュースが流れました。
米国の製造業へテコ入れすることになります。
この1千億円相当というのも初期に実施するもので、これからあとも続く可能性がありそうです。
インタビューの内容と、どういう対象に投資していくのか、日本の製造業への影響は何か考察してみました。
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インタビューの内容
インタビューは、CNBCでジムクレーマの「MAD Money」で行われました。
ジムクレーマは、株式投資では有名な人間で、日本でも訳された図書が一時期流行ってました。
その番組が「MAD Money」です。
株を売るか、買うか、その判断のために、経営者を招いてインタビューする人気の番組です。
1年前にもアップルのTim Cookにインタビューしており、今回は一年ぶりとなります。(Youtube上の記録)
このインタビューの中で、「Advanced Manufacturing」へ投資していくと言ってます。
但し、残念ながら、具体的にどういう内容か、どういう投資先にするかは言及してません。
製造業といえば、日本のお家芸だったはず。
それが米国で復権していくことは日本の将来にも関係しますので、探って行きます。
どういう対象に投資するのか?
「Advanced Manufacturing」とは、どういう内容なのか?
直訳すれば、「高度な製造業」となります。
普通の製造業でなく、高度な製造業とは何か、投資先になるということは、こういう製造業が米国で生まれて行く背景は何か?
この流れをうまく整理したとても良い資料が独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センターによって作成されてました。
要点を引用すると、
中国の躍進が目覚ましい。名目値での生産高は、2010 年に米国を抜き、世界 1 位となった。その生産力は、徐々に高付加価値製品へと拡大しており、米国やドイツが次世代製造業に係る政策を打ち出すこととなった背景の一つとなっている。
金属付加製造(3D プリンタ)、パ ワーエレクトロニクス、軽量金属材料、デジタル設計・製造等の先進製造技術を対象に産学のコンソーシアム組織、製造革新機構(IMI:Institutes of Manufacturing Innovation) の設置を行い、技術の普及・拡散に努めている。
出典: 主要国における次世代製造技術の研究開発に係る政策動向
マーカーで示した部分が米国の政策として採択され、強化する領域と決められているので、そのエリアへの投資の可能性が高いのではないでしょうか。
高度な製造業について国のレベルでは、米国のみでなく、ドイツ、イギリス、中国、EUも政策を取っているとのことです。
どこの国でも製造業を重視してる姿勢が分かってきました。
日本のお家芸といってる場合ではありませんね......
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日本の製造業への影響は何か
それでは日本ではAdvanced Manufacturingに関する政策があるのでしょうか?
こういうものって昔でいえば、通産省が主導していてやってそうですが....
ネット上で調べましたが、政策としては特になさそうです。
個別の案件に予算を付けたりすることはありますが、総合的なパッケージとしてはないようです。
もともと、日本の製造業は、政府主導というよりは、自動車メーカであれ、電機業界であれ、また周辺の部品業界であれ、歯を食いしばり、改善につぐ改善を行い、どちらかといえば民間主導で世界を席巻してきたので、政策が生まれにくい素地があるのかもしれません。
「通産省が口を出したら大体うまくいかなくなる」という話しを昔聞いたことはあります。
でも、個別企業、個別業界だのみでは、局地戦で企業の実力により勝てることも今まではあったと思いますが、国をあげての総力戦になり、その国であるプレーヤも増えて行く中では、今後うまくいくのでしょうか。
iPODの金型も最初は日本の中小企業に頼んでいたと聞きました。今ではそうではないと思います。
米国には限りませんが、個別企業や業界のみの対応のみでは、競争上日本は不利になると思います。
まとめ
今回のアップルの高度製造業への投資というニュースをもとに、米国等の政策、日本の実情を調べました。
諸外国が政策でパッケージ的に取り組んでいる中で日本が取り組んでないことを問題視しました。
今後、日本は、
- 産業のパッケージ的戦略を立案、実施する機能を政府、省庁含めて強化する。
- 孫さん、IT企業だけでなく関連の高度製造業にも投資して!
- 民間企業は、政策に頼っている時間もないが、なるべく民間団体で協力し、総合力をあげる努力をする。
ということをしていくのが良いと考えます。
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