何かと最近ニュースになるヤマト運輸が9200人という大量な規模で増員するというニュースが出ました。
このニュースは意外性がありました。
なぜなら、今までの働き方改革や一連のニュースでは、「増員」という対策は出てきてなかったからです。
以下参考:
長時間労働問題】ヤマト運輸の社長を処分したのは誰?値上げは140円~180円で決着
ここでは、なぜそのニュースが急に出たのか、また大量の増員が可能なのかということに切り込んでいきます。
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なぜそのニュースが急に出たか?
このニュースがGWの真っただ中である、5/3に出たのか?ということも驚きです。
宅配便の会社は休みはないとは思いますが、休日にあえて発表したのはなぜでしょうか。
恐らく、早めに手を打っていかないと、今までの働き方改革だけでは、問題は解決できないと経営陣が思ったからではないかと想定します。
毎日沢山の荷物が来るのは急には変わりませんから、即応性のある対策が一刻も早く必要だったのでしょう。
冒頭にご紹介した記事では、
「結局荷物が多いので、急には問題解決とならない。」
と指摘していました。
増員が出来ればその対応が段階的だとしても即座に改善のスタートが切れます。
通常、企業では業務の量が増えてきて、それが会社の利益に長期的になるのであれば、「増員」という手段をとるのが常套手段です。
ヤマトHDは「体制の構築が追いつかず」とも言及していたので、増員は考慮にはあったとは思います。
ただ、その規模と採算性を、同時に検討している働き方改革と取引業者との関係を考え、総合的に最終決定するにはかなりの検討が必要だったのではないか想定します。
また、もし早期に「増員」を全面に出していたら、
- 根本的な問題(社員の待遇)の解決に焦点が当たらない
- 増員することも理由になると取引業者との交渉がしにくくなる
という点があったのではないかと思います。
大量の増員が可能か?
しかし9200人という規模はとてつもなく大きいと思います。
遥か昔バブルの頃の大企業への入社でも1000人程度でした。
よってこの1000人以上採用があるかどうかは、景気や企業のニーズを知るパラメータとして長年観察していました。
最近では銀行で1000人以上、2000人近くの採用をしています。
メーカでは、堅実な経営で業績の良い三菱電機がせいぜい900人程度。
これでもバブルの頃には及びませんね。
やはり、9200人というのは異様に大きな人数だと思います。
増員は困難が伴うと思います。
これだけの人数を労働市場から集めるためには、それなりに給料等の待遇が良くなければ転職はしてこないでしょうし、また採用する側も、人材会社等を活用するにしても無理があるのではと思います。
逆に思いましたが、労働者をひきつけるには、ヤマト運輸は、従業員思いの会社だと知らしめる必要があったと思います。
そのため、増員の前に、働き方改革を先行させたのかもしれませんね。
ヤマト運輸の社員は、161,081名(2017年3月15日現在)なので、割合でいえば5.7%。
ざくっと言えば、20人の職場に1人増加するということなので、新人教育的には無理がない範囲だと思います。
ただ、やみくもに無理な増員をするとヤマトのサービスの質も落ちる可能性があるので要注意ですね。
これだけの増員を果たすには、
「従業員思いの良い会社」
とのイメージは必須だったのですね。
実態とともに。
まとめ
次々と色々な手を打ってくるヤマト運輸について、今回は大量の増員について考察しました。
ヤマト運輸が取ってきた対応は、順番に、
- 残業代未払い対応
- 社員の働き方改革
- 値上げ・再配達の見直し
- 取引先との交渉開始
- 経営者の処分
- 社員の増員
です。
この順番を見ると適切な順番で対応してきてると思います。
しいて言えば、経営者の処分は、3の値上げ・再配達の見直しより前にあった方が良かったですね。
まず自社でできる対応について責任をとるとの観点でです。
このあとも引き続きニュースは出るのでしょうか?
恐らくこの対応の中でリスクがあるとすれば、やはり「社員の増員」の箇所ではないかと思います。
逆に増員がうまくできたらその事自身もサプライズです。
いいニュースを待っています!
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