年金の受給開始が希望者には71歳以上も選択できるよう制度を見直すことが自民党の1億総活躍推進本部で提言としてまとめられました。
ついにこの手の話が出たか!との認識です。
これを皮切りに受給年齢があがる話も出てきそうで、将来不安が高まっていきます。
1億総活躍するのは別にいいですが、年金制度を変えるという話が出てくるのが非常に怪しいところです。
恐らく先々の寿命を間がると年金受給開始を遅らせる人は少ないのではと思います。
働いている高齢者にはその代わり保険料を負担してもらえれば良いと思います。
日本の年金制度は、維持可能ではなく、保険料を上げる、受給金額を下げる、受給開始年齢を上げるの3つしか選択枝がないとは思ってましたが、ついに受給開始年齢を上げる伏線として、71歳以上も選択との案が出てしまいました。
今の年金制度に対しての認識、年金の過去の取り組み、諸外国の受給開始年齢をもとに、今後の日本の年金制度の変更を予測してみます。
今の年金制度に対しての認識
今の年金制度が破綻しかけていて、払った分だけ年金が出ないかもしれない、との噂が出たのはいつ頃でしょうか。
2002年頃でした。そのため、2003年には、江角マキコを使って「年金もらえないって言ったの誰?」との宣伝をして納付を呼びかけましたが、本人が未加入だったことが発覚!
また、2007年に消えた年金問題が起こり、国民の信頼度を一気に低下させました。
年金制度自体に不振があるので、私も極端には、「年金は将来もらえないかもしれない、もらえるとしても小さい額になるかもしれない」と思った時期がありました。
でもサラリーマンをしていると強制的に取られるのが選択の余地はありません。
実際は年金制度は、将来もらえるお金だけでなく、保険的な性格もあり、遺族年金や障害年金もいざという時もらえます。
このお金をもとに、その他の保険や資産のキャッシュフロー表を老後まで作っていました。
よって悪い制度ではありません。
しかし、国民年金保険料については、会社から強制徴収される訳ではないので問題が生じています。
平成26年度と27年度で未納付率は約30%です。
なぜ納付したがらないかというと、良く出てくる話が、
「2050年には、1.5人で1人のお年寄りを支える」
との話です。
これを聞いたら、誰でも支えたくないよと思うでしょう。
また、私自身が一番不振に思っているのは、年金定期便が送られてくるのですが、これまでの保険料納付額累計額が示されてますが、個人が払った分しか記載がなく、会社分含めた総合額が記述してないことです。
これって詐欺ではと思ってしまいます。 会社もその個人に対して支払いをしているわけで、その分含めて個人は売り上げのノルマ等がある訳ですから、総合額の記載があってしかるべきですが、実際は個人が支払った分しか記載してないので、半分の額になります。
平均寿命から65歳を引いてもらえる額を計算すると、自分の場合は、この総合額より下回ってしまいます!!!
個人が支払った額だとその半分なので、上回ったように見えます。
こういう数字をごまかしているようなところも不振感を増大させます。
また、支払った総合額より低い額しかもらえないのなら、もし自分が運用できるのであれば、厚生年金に入らず、長期運用した方がリターンが良いことになります。
国民年金主体で加入されていた方はどうなのでしょうか?
今の年金制度に対しての認識は、一言で言えば、財政的な改善が必要と認めつつも不振感が大きいということです。
年金の過去の取り組み
過去にはどういう取り組みがあったのかというと、「100年安心の年金制度を作る」といわれたのが2004年頃でした。
この時にはすでに高齢化社会は見えていたはずで、まだ13年前です。
その他で主な項目は、
1994年改正では、60歳代前半の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢を2013年までに段階的に60歳から65歳に引き上げ。
厚生年金保険料は、2004年10月から保険料率(労使折半)を毎年0.354%引き上げ、2017年9月から18.3%に固定する。
国民年金保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げ、2017年度には月額16,900円に固定する。
「日本の年金」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。 2017年5月6日 (土) 08:28 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
これを見ると65歳までに引き上げというのも、もう23年も前に決めたことなんですね。
また、保険料は上がってきましたが、今年で固定されることとなっています。(本当かな?)
諸外国の受給開始年齢
海外の受給開始年齢を調べてみましょう。
たしか、65歳以上になっているものもあったと思います。
以下がまとめた表です。
各国 年金 受給開始年齢
国 | 受給開始年齢 | 備考 |
ドイツ | 65歳 | 2029年に向けて67歳へ引き上げ |
アメリカ | 66歳 | 2027年に向けて67歳へ引き上げ |
フランス | 62歳 | |
スペイン | 65歳 | 2027年に向けて67歳へ引き上げ |
インド | 58歳 | |
中国 | 60歳 | 男性対象。2045年に向け65歳へ引き上げ |
シンガポール | 62歳 | 2018年には65歳へ引き上げ。 |
これを見ると先進国は大体67歳へ引き上げですね。フランスだけ低いですが、少子化対策が功を奏しているためでしょうか。
今後の日本の年金制度の変更
先進国が67歳へ引き上げていること、また日本は平均寿命が世界の中でも高いことを考えると、67歳まで引き上げられるのは仕方ないかもしれません。
ただ、各国とも10年以上かけて引き上げですね。
年金をもとに老後設計を本気で開始するのは、40歳くらいからではないでしょうか。
それまでは、貯金や投資で資産を増やすことをやっていると思いますが、40歳くらいになったら将来の見込みやリスクもより見えてくると思います。
もっと早い人もいるかもしれません。
自分の場合は、遺族年金、諸概念金や保険含めての生きている間のキャッシュフロー表は36歳から作り出しました。
その時、一番重視するのは年金受給開始年齢です。
65歳やそれ以上まで働く場所を確保する政府方針がありますが、それが確保できるか否かは何の保障もありません。
一流企業でも急にリストラされるかもしれない世の中なので。
また、中高年になったら転職も非常に難しくなります。
そういう人が人材不足気味の介護事業や運用会社のドライバーに応募するかといったらまずないと思います。
よって、年金受給開始年齢を元に生活設計をするはずなので、この年齢が急に引き上げになったらかなりの社会不安になると思います。
あげるとしても、上限67歳で、20年位かけてあげるのなら、対象者は現在47歳の人となるので、生活設計はまぁできるのではないかと思います。
70歳まであげる話になったら、60歳から70歳まで会社でどういう仕事をするのか....自分は想像できないですね。
あと、厚生年金保険料や国民年金保険料が2017年に頭打ちになってますが、受給開始年齢引き上げよりも、これらの保険料を緩やかにあげていくほうが抵抗が少ないと思います。
受給金額をさげるという手段もありますが、これは将来の生活設計を危うくするので反対ですね。
まとめ
日本の年金制度は、維持可能ではなく、保険料を上げる、受給金額を下げる、受給開始年齢を上げるの3つしか選択枝がないと思いますが、各国と比較して67歳程度まで上げるのは仕方がないかと思います。
老後の生活設計がしやすくなることを考えると、保険料を薄く上げていくことと、20年位かけて67歳程度まで受給年齢をあげるのは仕方ないと思います。
ただし、年金制度については根強い不安が国民にはあるので、この不安を増大する話が出てくると、消費を抑えるようになるので景気も悪化するし、国民年金の未加入者も増えると思います。
今回の年金開始を71歳以降にするのは、希望者で選択性ではありますが、そのうち選択性でなくなるのでないか、あるいは70歳という年齢を刷り込んでいるのではと不安を増大させる案です。
改善するのは仕方ないと思いますが、不安を増大させない方法で政府にはお願いしたいです。
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