米国のDefence Newsによると空母Carl Vinsonは、まだインドネシア近海にいるとのニュースが出て、場所が朝鮮半島付近でないことにより北朝鮮に関する緊張感が少し緩んだことと思います。
でもここでは、もしも東京が核攻撃を受けた場合、あるいは大規模な地震等で電力が途絶えた場合、証券市場を支える東証と証券会社のサービスがどうなるか調べてみました。
核攻撃という恐ろしいことが起こっている最中なので身の安全を確保するのが一番ですが、ケーススタディとして検討しました。
なお、会社によっては建物に自家発電機を持っていると思いますが、それは燃料で動くので燃料が切れたら電力供給はおしまいです。
自家発電機はないよりはあった方が良いですが、長期的に稼働するものではありません。東日本大震災でもそうでした。
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もし核攻撃を受けたら東証のシステムは?
東証はBCP(Business continuity planning,事業継続計画)を定めており災害時のために遠隔地にバックアップのセンターを有しており、24時間以内を切り替え目標にしているとのことです。
また当日中の切り替えはしないけど可能な限り早期に取引を再開する方針とのことです。
さすが東証ですね。
単にコンピュータを機能的に近い場所で冗長化する「機能冗長」ではなく、物理的に隔離した「物理冗長」が重要になってきます。
あとは実際災害が起きた時にどの程度スムースに移管できる習熟度になっているか、どこまで訓練しているかがポイントになるでしょう。
もし核攻撃を受けたら証券会社のシステムは?
証券会社に資産を預けている方は、
資産(株式、投資信託等)を売買できるのか?
資産の記録は被害を受けた地域以外の遠方できちんと保管されているのか?
ということが疑問になと思います。
このために遠隔地、そうですね距離で200Km程度離れて東電の管轄外の場所にバックアップのセンター(物理冗長)があり取引が継続できるか、資産の情報が保持されているのかを調べました。
東電の管轄なら電力が止まると距離が離れていても同時に被害を受けるからです。
対象はネット取引ができる23の証券会社です。
証券会社は、野村、大和、SMBC日興、三菱UFJMS、みずほ、SBI、東海東京、岩井コスモ、丸三、楽天、マネックス、松井、岡三オンライン、いちよし、カブドットコム、SMBCフレンド、立花、むさし、安藤、エイチエス、東洋、藍沢、GMOクリック、ライブスターです。
調べ方は、「BCPやバックアップセンター」+証券会社名でGoogleで調べ、また各証券会社のサイトに言って、BCPやシスフム障害等の記述を見ました。
そうすると驚いたことにネット上の情報ですが、「カブドットコム証券」のみが双方に対応していることがわかりました。
他の証券会社はシステム障害時にバックアッサプサイトを持っていたりコールセンターで対応するものや、まったく何も対応していないものなどばらばらです。
カブドットコム証券は、東京から離れた福岡にバックアップセンターがあります。(但し、投資信託の取引はできないとのことです。)
しかし中小証券会社が対応してないのはしょうがないとしても、大手証券会社が対応していないとは思えないし、ネット系のメジャーな証券会社も何にも対応してないとも思えないので電話で調べてみました。
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大手証券会社
野村証券(ネット&コール)
ネット&コールで確認したところ、遠くの距離には離れてなく首都圏内とのことです.....でも正直に答えて頂きました。
株式、投資信託の保有情報は、ほふり(証券保管振替機構)や信託会社、投資信託の運用会社には情報があるとのことです。
ただし、その場合、それらの会社の機能がすべて首都圏にあった場合は物理的冗長性はないことになるので残念な内容でした。
この点もう少し調査が必要です。
SMBC日興証券
最大限努力して取引の再開をするし、資産状況はバックアップしているとのことです。
但し、物理的な距離がどの程度離れているかは紹介できないとのことでした......
大和証券
お問い合わせの内容についてはご紹介できないとのことでした....
取引については東証などとの調整によりその時決まるだろうとのことです。
ネット系メジャー証券会社
SBI証券
SBI証券に確認したところ、複数のサーバでバックアップをとっているとのことでしたが、距離的にどの程度離れているかは回答得られませんでした。
ネット系では一番好きな証券会社であり、他社にないサービスがあったり、使い勝手もとても良く、投資信託の品ぞろえも多いので、この結果については残念でした。
マネックス証券
マネックス証券は、バックアップサイトの場所は大阪にあるとのこと!
距離的にも十分離れているので、この点は安心です。
しかしマネックスのホームページによると、投資信託に関しては取引の代替手段が「有」とはなっていません。
アイザワ証券
(追記 2017/6/9)
ベトナム株や米国株に資産を移動していくので電話で念のため確認したら、なんと、東京と大阪の二か所でバックアップをとっているとのことです!
海外の株式の手数料は、
3,000万円以下 | 2,160円 |
と、ベトナム株の場合は、現地の手数料がいり、
ベトナム | 現地委託手数料 | 0.50% | 現地約定代金×0.50% |
---|---|---|---|
キャピタルゲインタックス(※) | 0.10% | 現地約定代金×0.10% |
です。
たとえば、100万のベトナム株で、8160円です。為替スプレッドが1000ドンで20銭なので、合計約8360円です。
米国株の場合は、2160円のみと為替スプレッドが50銭かかることを考慮すると、100万分で約7160円です。
SBI証券の場合は、
ベトナム株で、100万分で、21800円です。
・約定代金の2%(税込2.16%)
・最低手数料:1,200,000ベトナムドン(税込1,296,000ベトナムドン)(約6300円)
・※売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込54%)が手数料となります。
・売却時に売却代金の0.1%をキャピタルゲイン税としていただきます。
・為替スプレッドが10000ドンで2円
米国株で
約定代金の0.45%(税込0.486%)
・最低手数料:5ドル(税込5.4ドル)
・上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
・為替スプレッド +-25銭
つまり100万では、約7000円です。
ベトナム株は、アイザワ証券が段違いに安く、米国株はトントン位ですね。
ベトナム株と米国株は、アイザワ証券で決まりです。
まとめ
証券会社により対応と情報開示のレベルは別々でした。
総じて遠隔地にバックアップセンターがある証券会社は少ないことがわかりました。
パックアップを持っている安心できる証券会社は、
・カブドットコム
・マネックス
・アイザワ
の3社のみです。必要な資産で移管できるものはこれらの証券会社に移管していきます。
内容を紹介できない証券会社は、おそらく物理的に離れた場所にはバックアップセンターがないのだと思います。
使いなれて信頼できる証券会社が一社あるとしてもそこに資産を集中的に置くのではなく、物理的に距離が離れたバックアップセンターを持っている証券会社にも資産を分散させて持った方が良さそうです。
つぎなる疑問は、
- 銀行の物理的冗長性は?
- ほふりの物理的冗長性は?
- 投資信託会社の物理的冗長性は?
です。疑問がつきませんが上記についても調査してみます。
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