高校生や中学生のお子さんをお持ちのかたへ
高校卒業以降の進学について、親の意見と、子供の意見が合わないこともあると思います。
親の価値観と、子供の価値観も、子供が大きくなるに連れ、異なっていることも感じるのではないでしょうか?
子供がすでに、「医者になりたい」など、就きたい職業のイメージが明確にあり、勉強に取り組んでいる場合は問題が少ないです。
でも、具体的に、どういう仕事についていくか、なかなかイメージを持ってない場合、そして勉強もモチベーションをもてずになかなかはかどってない場合、「収入」という面から、実際の社会のデータを見せることは意味があると思いまとめてみました。
お金だけが目的で人生を決めるわけではないですが、全体の平均年収、学歴別の年収、学歴別の賃金カーブ、正規/非正規(派遣)の賃金カーブ、企業規模別の平均年収,職業別/業種別平均年収ランキングをまとめました。
参考データとして子供に示すことが目的です。
また、友人の協力により、国立大学を出た複数の友人へのヒアリングをもとに、一流大企業に勤めた場合の実際の賃金カーブと生活もご紹介します。このデータはまず見ることがないと思いますので、実態がわかると思います。
現状と親の期待
現状
まず、現状の認識です。
日本は人口が減り始め、若手の働き手も減ってきてます。2017年現在、今年の実績では、大卒就職率が過去最高の97.6%です。
働き手が減るけど仕事はあるので、今後も就職率は高いと想定します。
大卒に限って言えば2016年で契約社員や派遣社員は全体の3.4%ということです。数は減少傾向の模様です。
就職環境としては、これからは良くなりそうですが、あまり安心もできません。
企業側はコスト削減にも熱心ですし、戦力になる社員が欲しいので。
また、現在の中学生や高校生を見ると、あるいは若い大人にも当てはまるかもしれませんが、以下の特徴があると見てます。
- モノに恵まれており、欲しいものは、100均、オークション、ネット、両親、祖父祖母から手に入る。
- 逆に、「これが欲しい」という物欲が少ない。
- ネットでいろいろな情報が集まるようになっており、模擬体験ができ、また情報過多である。(真の情報はネットにはなかないないが)
- ハングリー精神もなかなか育たないため、将来について「これがしたい」ということも持ちにくくなっている。
これに必ずしも当てはまらない人もいると思います。
自分が子供の時には手に入らないものがいろいろとあり、物欲が強く、大学生の時にはアルバイトで稼いで、欲しいと強く思ったものです。
ただ、将来については、仕事のイメージもなかなか持ちづらく、アルバイトをしながら何をしたいかが段々と明確になっていきました。
でも技術系の仕事で研究開発をしたいというのは、高校生の時にはぼやっと思っていました。
親の期待
自分の同期、しかも成績最優秀だった人や友人が一流大企業に勤めていきますが、そこではあれほど有望業界と学生時代に思われたのに、リストラがありました。
年功序列で一生安泰なんてない世の中になったと思います。
また、自分自身が仕事を振り返ると、一番幸せで面白かったのは、自分の興味のある、やりたいことを実施できていた時です。 お金ではありません。
親の期待は押し付けてはいけませんが、私が期待することは、優先順に以下です。
- 自分が好きで情熱をかけられる仕事に就く。収入は、その次。
- 転職して対応できる専門能力をつける。
- 収入面は、資産運用や副業の力をつける。
- いずれも、勉強が一生続くので、勉強習慣をつけると良い。
ただ、正直に断りますが、この言葉は私の子供にはあまり響いてはいません。
それでは、次に各種データを源泉のURLとともに、紹介していきます。
全体の平均年収
男女含めた平均年収は、2015年で、
420万円
です。この値は男女含めた平均です。
この値と、今の家族の年収を比較し、同じ程度か、1.5倍違うのか、それ以上違うのか....
もし、今二倍なら、「収入が半分だったら、これと、これと、これができない」と説明できるとイメージが子供に伝わります。
収入に対して生活レベルを大体把握できるようになります。
学歴別の年収
高卒、短大卒、専門学校卒、大学卒で年収がどう変わるかを示します。
少しデータは古いのです。ただ、子供にとっては額が大きすぎて、イメージしにくいと思います。
年収に関しては、今の家庭の年収と比較して、多かったり、少なかったら、何ができなくなるか話すとイメージ伝わります。
また、データでのポイントは、生涯年収が、「高専・短大」と「大卒」では5000万円位違う、というのが一番のメッセージです。
あくまで平均なので、個人個人で実際は状況は違いますが。
学歴別の賃金カーブ
こちらのデータはよりリアルに将来性がイメージできます。
若いうちは、給料の差はあまりないけど、年とともにどんどん違ってくる現実がわかります。
実際の生活では、知り合いがいるとしても、「給料はいくらか」と聞くようなことはまずないので、このデータが参考になります。
これを見ると、平均値として、大卒はかなり有利ですね.....
でも、大卒でなくて、幸せになれないか、というと、そういうこともないです。
本人がどう選択し、どう感じるかの問題です。
出展: 学歴別賃金カーブ
正規/非正規(派遣)の賃金カーブ
このデータはとても大切です。
非正規、その中でも卒業後に、派遣や契約社員になる場合、その時は給与の開きはあまりありませんが、ほとんど昇給がされないために、賃金の格差が広がる、というのをしっかり認識する必要があります。
また、非正規の場合は、平均年収に達することもできないことを認識する必要があります。
特段、非正規でよい理由がない以上、正規社員になることをしっかりと目標にする必要があります。
でも、「300万以上あるんなら、それでもいいんじゃない?」と思うかもしれませんね。
あとは本人の選択ですが、
正規->非正規
にはなれますが、
非正規->正規
にはなりにくい、ということはしっかり説明しておく必要があります。
出展: 正規・非正規の収入格差
企業規模別の平均年収
具体気な企業名を入れた平均年収はありますが、それらは上場している有名企業ばっかりです。
大企業や、それ以外の中小の企業などの比較をするために、企業規模別の平均年収を調べました。
これを見ますと企業の規模が大きいほど、年収は多くなっています。
「大企業の方が一般的に有利」といえます。
たとえば、わかりやすい例としては、資本金2000万円以下では、ボーナスが約28万なのに対して、10億円以上では、132万と100万以上違いますね。
お金がすべてでないとしても、この額の違いを知ってしまうと結構衝撃です。
でも実例では、企業規模が小さくても、利益を上げて、大企業より給料の高い会社もあります。あくまでも平均値としてとらえる必要があります。
出展: 年収ガイド
職業別/業種別平均年収ランキング
これは、職業のイメージがつきやすいので、分かりやすいデータとなります。
具体的になりたい職業がいくら位の年収なのかがわかります。
データが多すぎるので関連サイトをご紹介します。
職業別ランキング
業種別ランキング
一流大企業に勤めた場合の実際の賃金カーブと生活
実際の賃金カーブ
東大のようなメジャーではない国立大学を卒業し、一流大企業に勤めた場合の実際の賃金カーブを数人からヒアリングしました。
なぜ調べたかというと、今まで提示していた賃金カーブにのってないことが多いと感じていたからです。これは、ずっと前からそう思ってました。
よって、開示することとします。
企業としては、海外展開もしている東証1部上場の大企業です。
傾向としては、儲かっている会社ほど当然ですが、給料はいいです。
若い時からいいです。
初任給は大体同じなので判別できませんが、ボーナスで判別できます。
初年度のボーナス一年分が、5ヶ月分なのか、7ヶ月分なのか9ヶ月分なのかで、その後の給料のカーブもわかります。
いずれもわかりましたが、管理職に昇進できるか否かで給料は割と大きく変わってきます。
管理職になると、基本給が大きくあがるだけではなく、手当ても増えますし、ボーナスの算定ベースも増えるから、かなり増えるのです。でも会社にいると、それはなかなかわかりません。
管理職の人がわざわざ「これだけあがったよ」といってこないからです。
また、管理職に上がれる人は別にお金を目当てに上がっているわけでもないので、そういう情報は伝わりにくいということがわかりました。
平均値を大体聞いて、以前提示したグラフに重ねてみました。
管理職になった人は、確実に年収1000万円を超えています。
また、管理職になったあとからの給料があがるペースが早くなっています。
でも、これらの値は、企業の平均年収だけでは見えてきません。
なぜなら、大企業の平均年収は、高卒の人も含めているからです。
いろいろとヒアリングした結果、一部上場大企業で、平均年収が750万以上の場合で管理職になった場合は、大体、年収1000万円は超えています。
もともと、平均年収が1000万円以上超えている企業は、それだけでもすごいと思いますが、平均年収が800万位でも、年収が1000万を超えることはめずらしくないということです。
このデータから言えることは、「一流大企業に入り、管理職になれると、収入はかなりあがる」ということです。
年収1000万以上の人の生活
なお、年収1000万以上の人がどういう生活をしているか、年収800万位の人は想像できると思いますが、年収600万位の人からすると400万も上なので、想像しにくいですね。 聞いてみました。
ずばり、以下のサイトで言われていることが違いが大きいので、指摘です。
ここで記載されていることと、実際を比較で紹介します。このサイトを作られた人には申し訳ないですが、ひとつの実態を調査しましたので、紹介します。
まず、最初に、富裕層と書いてますが、年収1000万になったからといって富裕層ではありません。富裕層の定義は、金融資産1億以上ですので、ハードルが高いです。
年収800万円位の人とマインドはかわらない、との認識です。
それでは記述毎に見ていきます。
年収1000万円以上もらえる仕事内容は、職種等から調べると
・命を預かる・命をかける仕事
・お金を集める仕事内容
・難易度が高い国家資格
・起業家
・外資系企業で仕事をする
・芸能・芸術系で有名な仕事をする
こんなことはないですね。さきほどいったように、平均年収750万クラスの大企業に就職して、管理職になれば、クリアできます。ここに書いていることはかなりハードルが高いと思います。
また、生活は個人の価値観によって違いますし、生まれ育った環境でも違うと思います。
でも、ヒアリングした国立大学出身の人の共通的な点は、
- 家がそもそも裕福ではないので私立大学の選択指がなかった。
- 塾もいかず独力で突破した。
- 社会人になったあとも、節約と、またお金を増やすための投資をしている。
ということです。でも、家は決して貧乏でもないですが....
また、当然ですが、配偶者の金銭感覚の影響も受けます。
大手メーカーで働いている方が毎晩終電ぎりぎりの時間まで残業をしてかろうじて年収1000万円の水準をキープしているのであればそれはあまり豊かな生活とはいえません
こんな生活をしていませんね。そもそも効率良く仕事をするので、そんな遅くまで仕事をしません。よって時間もあり、生活は割りと豊かです。
また、一説によると年収1000万円の人は、400万円の人とほとんど変わらない水準の生活を送っているというものがあります。
これ、割と当たってます。時々贅沢しますが、普段の生活は質素な人が多いです。
また、これは米国含めた富裕層でも同じだと聞いてます。スーパー富裕層でない限り。
どうせだからリッチな家に住みたいと考えるのが、年収1000万円の人の考えでしょう。
こんな考えもあまりありませんね。リッチな家に住んだらお金がたまらないことがわかっています。よってこれもあまり当てはまりませんね。
でも、年収軽々早期に1000万超えた友人ひとりは都内にかなりのリッチな家をかっている人もいました。
年収1000万円になったのであれば、やはり車はほしいところ。
しかも、年収1000万円ならば、国産の車はもとより、外車なども購入できるほどのクラスですから、やはり車は選び放題であるといえるでしょう。
こういう考えもないですね。もともと車が好きなら最初から持ちます。
人によってはお金がかかるので車を持ってない人もわりといます。
そもそも年収1000万でお金が沢山あるから使っても良いと思われているようですが、そんなことはありません。使えば使っただけお金がなくなります。
浪費好きの人はそうなるかもしれませんが、堅実な人は、将来を考え、節約です。
車に執着があるのは、20代くらいまでですね。
まとめ
「収入」という面から、実際の社会のデータを見せることは意味があると思いまとめてみました。
全体の平均年収、学歴別の年収、学歴別の賃金カーブ、正規/非正規(派遣)の賃金カーブ、企業規模別の平均年収,職業別/業種別平均年収ランキングをまとめました。
これを見ると、大学を出て、一流大企業に正社員で入り、管理職になることが金銭的には一番良さそう、との結論になります。
しかし、データを紹介しておきながらですが、あえて反論すると、
- 生活のお金がそこそこ入れば、人生お金よりも楽しいことをやった方が良い。
- 人生のほとんどの割合の時間を仕事に費やすので、お金より内容をとったほうが良い。
- 仕事の好みや方向性が変えられるように、転職を常に意識する。
- 大企業は調子が悪くなり、突然リストラされることもあるので安泰とはいえない。
- 米国では、一流企業に入る人は優秀者ではない。優秀な人は起業する。
子供の価値観や人格はなかなか変えにくくなってくるとは思いますが、選択は自分でさせるにしても、必要なデータと実社会の経験は、親が伝えるしかないので、バイアスをあまりかけずに伝えられるといいですね。
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