毎月分配型投資信託はダメ?結構いい!今後の銘柄は?

毎月分配型の投資信託は、ダメという話を良く聞きます。

ここでは、実データを元に、他の運用手段とも比較し、ダメという話が本当か否か検討しました。

その結果としては、結構いい! という結論です。

そして、今後の銘柄はどういうものがいいか、どの銘柄はだめか、紹介します。

 

 

毎月分配型投資信託がダメと言われる理由と反論

金融庁長官が証券会社の経営者に、「毎月分配型投資信託はだめだ」といったそうです。ニュースで過去に聞きました。

ここでは、どこが一般的にダメだと言われているか、またその反論も記述しました。

  1. 実際は利益を出してないのに、元本を切り崩して毎月分配金を出していてだましているようである。
    -> これは現在きちんと説明されるようになっている。ただし、確かに分配金のうち、どの程度が利益から来たものかは購入時にはわからないようになっている。だますように説明をしたとしたら、確かにそれは問題。ただ、購入する側から見たら、チャートで分配金再投資の基準価格を見ると、利益が出ているかどうかは判断できるので結局は自己責任の問題である。
  2. 毎月、利益を出していて分配した場合は、その時点で税金も取られるので、複利効果がきかなくなる。
    -> これも当たっている。ただし、購入する側は、複利効果が聞かなくても購入する理由がある。購入する側の選択の問題である。
  3. 手数料がインデックスファンドに比べ高い。
    -> これもその通りである。ただ、手数料が高いか否かよりも、毎月分配されることと、結局総合的にリターンが良いか否かで判断されるべき。

この3つに対して、それでも毎月分配が欲しい理由があるから購入したいのです。

また、1番については実物不動産もキャツシュの出入りを考えると似たようなものです。

毎月お金は入りますが、実物不動産も原価償却されながら値段がどんどんと下がっていきます。これは投資信託の毎月分配して値段が下がるとまったく同じ構図です。

元本が下がるのがいけないというのなら、不動産投資もダメということになります。

2番についてですが、実績データを見ると、必ずしもその通りにはなってないですね。

たとえば、人気が高かったラサールREITについてですが、以下の値となってます。

銘柄 3年のリターン 備考
ラサールREIT毎月分配型 5.80%
ラサールREIT一年決算型 5.55%

原因ですが、再投資するタイミングが毎月来た方がドルコスト平均法がききやすいので、リスクが減った、と解釈しています。

 

毎月分配型投資信託が人気のある理由

毎月分配型投信がなぜ人気があるのか、理由を以下に述べます。

  1. 会社をリタイアしたなどで、一定の収入が毎月欲しい時に、毎月分配型ファンドだと、自動で銀行に毎月、給料(年金)替わりに入金してくれる。
  2. 給料があったとしても、目に見える分配金が毎月入金されるのがうれしい。
  3. 人気があるのでその分資金が入りやすく値段もあがりやすい

1番が、一番おおきな理由です。会社勤めの人には実感はわきにくいと思います。毎月給料が入るので。

例えば、同じ資金をもっていても、銀行に預け、毎月生活資金口座に一定額振り込む、ということもできます。

でも、そうしません。何故かというと、投資信託の方が儲かる可能性があるからです。

そのため、「毎月の定期収入+儲かる可能性」を掛け合わせた商品としては魅力があるのです。

 

まだ収入のある人でも、2番の理由で購入する人はいると思います。やっぱり目に見えるお金が入るとうれしいものです。

そのあと、退職して収入がなくなっても、同様の運用ができる目を持てば毎月の収入の確保の目途もでき、安心もできます。

でもコレがタコ足配当だらけだと、良くない投資信託となります。よって、投資信託の実際の成績を良く見ていかないと、痛い目に会います。

 

3番は、あまり言われてないことかと思います。

日本では、60歳以上が全体の資産の約7割を握ってます。

その人達が毎月の分配金が欲しいニーズが一定にありますので、人気のある投信にお金が流入していきます。

そうすると、投信の値段自体も値上がりしやすく、儲かる可能性があります。

株式と同じですが、人気のある毎月分配型投信を購入していくと勝てる可能性が高くなるのです。

 

 

毎月分配型投資信託と実物不動産の対比

では実際に、国際REIT型の毎月分配の投資信託と、実物不動産(マンション投資)のリターンを比べています。

私の所有していたマンションの利回りは、2011年の売却時点で、390万、半年のキャッシュの儲けが経費等を差し引いて、16.3万、一年に換算すると32.6万です。6年で実績ベースで家賃が18%落ちるので

利回り平均は、(32.6+32.6*0.82)/2/390=7.6%

です。

このマンションを売却して国際REITに乗り換えました。

人気のあった(過去形ですが)ラサールグローバルREITです。

同じ2011年から約6年運用して売却しましたが、複利で年間の利回り計算をすると、

8.79%

でした。この数値から見ると、毎月分配型投信の方が成績は少し良かったです。

 

毎月分配型投資信託と、他の投資の比較

この6年で考えると、リーマンショックのあとの上げ相場だったので、儲かった人はとても多かったと思います。

代表的に日経平均インデックスに投資した場合と、S&P500インデックスに投資した場合で比較してみます。この6年間です。

また、為替レートも円安になったいたので、海外の投資物は総じて成績が良いです。

 

対象 年間平均リターン(複利) 備考
ラサールREIT 8.79%
日経平均 約11%
SP500 約20% 円安分含む

これを見る限りでは、ラサールREITよりも他の投資の方が良い成績です。

でも、当時考えていたことは、実物の不動産から収入がある投資と、いつ暴落するかもしれない、株式市場、どっちがいいか、と考えたら、REITを選んでました。

結果としては結構いい、と捉えています。

結果論にはなりますが、ここまで株価が上昇する、とその時信じられるのなら、インデックスに投資した方が良かったことになります。

信じられなかったので、投資してませんでしたが。(結構相場が過熱している、との情報が、相場上昇時にはありました)

 

毎月分配型投資信託の今後

今後も資金を持っている年齢層がシニア層だと考えると、人気はそこそこ続くと想定します。

具体的には、SBI証券で、この1年資金が流入している投信を見てみます。

 

 

10本中、7本は毎月分配型となっています。実態上は、人気が続いています。ただ、REIT関連は上位にはないですね。

でも全体的に毎月分配型の人気は、今後もかわらないと考えます。

 

毎月分配型投資信託が向く人

値上がりだけを考えると、毎月分配型投信が良いのか、インデックスへの投資がいいのか、これは人それぞれだと思います。

S$P500や日経平均が、これから5年も上昇していくと信じられるか否かです。

その中で、毎月分配型投信に向く人は、以下の人です。

  • 給料がなくなり、代わりのキャッシュの収入が毎月欲しい人
  • 特定の毎月分配金投信が5年位値が上がると相場を見通せる人

なお、ひとつだけの投資手段にするとリスクが高いので、インデックスや他の投資と毎月分配型投信は、分散投資するのが良いと考えます。

 

今ダメな投資信託と今後良さそうな銘柄は?

では、私がどうしたか、をご紹介しながら考え方を説明します。

投資信託の銘柄を選ぶ、買う、売却する、というのは株式の取引と似たようなものです。よって必要に応じて組み換えることが重要です。

 

ダメな投資信託

まず、国際REIT関連はすべて売却しました。

今ダメな毎月分配型投資信託は、国際REIT関連であるからです。

なぜかというと、この投信は、米国のREITを多い割合で含んでおり、米国が金利をすこしずつ上げていくので、収益性が低くなるからです。

金利がさがる局面ではいいですが、あがる局面では、安いお金で資金調達できなくなるので、不利になります。

投資信託の資料を見ると「金利があがっても経済も上回っているので影響は少ない」など、販売会社向けの説明がありますが、そんなことはなく影響は多いです。

これを見抜くためには、どうするか、ご紹介します。

  1. タコ足配当が長い間続いていて利益が出てない。
  2. これが一番重要ですが、資金流出が続いている。

その見かたですが、具体的に、過去にはかなり人気のあった、ラサールREITで見てみましょう。

1については、分配金込の基準価格でみます。

以下の図の赤の線ですが、2015年2月から値段があがらず小康状態になっています。利益があがってない証拠です。

 

 

タコ足配当か否かは、購入した人しかわからないので、調べてみました。(確か1年程度はタコ足配当だった記憶です)

2015年から調べると、

普通分配だったのは、2017/1,2015/12,11,10,8,7,6,5,4,3,2,1

です。よって2016年から確かにタコ足配当だらけだったことがわかります。

上の図のチャートでは、2016年の11月から2017年1月までは値段はあがっていますが、タコ足配当していてもあがることはありますね。利益が出る取引はしてないけども保有しているREITの価格が上がったためでしょう。

保有している投資信託については、タコ足配当が3か月~6か月以上続いたら、異常があるとの認識をしましょう。

また、保有してなかったら、タコ足配当か否かはわかりませんので、上の図のような、中期のトレンドグラフを見て確認しましょう。

 

次に、2の資金流出ですが、以下の図にあるように、それまでは人気があり資金流入が続いてましたが、2016年後半からは流出し続けてます。

これは、タコ足配当の多さを気付いた購入者が見切りをつけて売り始めたとのことです。この流出が3か月以上続くと危険信号です。

 

このトレンドは、ワールドREITやフィデリティUSREITでもほぼ同じ流れです。成績でいえば、フィデリティUSREITが一番ましですが。

 

今後良さそうな銘柄は

まず、毎月の分配金で国際REITと同様な分配金が出る利回りのものを選択することとしています。毎月のキャッシュを同様に欲しいからです。

そして今後5年位、その投信の人気が増え、資産もあがりそうなものを選びます。

ここで、毎月の分配金が必要ない方は、この方法をとる必要はありません。自分の観点で、自分で投資先を選べばよいです。

それから、極力ノーロードの投信を選びます。なぜかというと、世界市場が暴落した時に、売却する可能性があり、暴落が終わり、値段が切り返したあとに、再購入する可能性があるからです。

そのためにはノーロードの投信選びが重要です。

そして、資金流入が続いているもの、これが一番のポイントです。

そして分配金込の基準価格があがっているものが望ましいです。

まとめると、

  1. 資金流入が続いているもの
  2. 分配金込の基準価格があがるもの
  3. ノーロード
  4. 配当金利回りが同程度
  5. 今後5年位人気が続きそうなもの

です。

あくまでも一例ですが、私が選んだファンドは以下です。

 

日興-ノーロード・パン・アジア高配当株式フォーカス(毎月分配型)

ひとつずつチェックした内容もご紹介します。

資金流入が続いているもの

2017年に入ってから大きく資金流入が続いてます。それがなぜかですが、

  • REIT投信のかわりの受け皿となる高配当金を出している
  • アジア株の人気

だと考えます。

分配金込の基準価格があがるもの

赤い線ですが、値段はどんどんとあがっています。この1年では上昇トレンドです。

 

ノーロード

ノーロードです。

 

配当金利回りが同程度

ラサールREITは、分配金/価格=40円/2622円=1.53%/月でした。

この銘柄は、200円/11400=1.75%

で同程度でした。なお、この銘柄も先月はタコ足配当でした。

ただし、値段の上昇があるので、それでも良しと判断しました。

でも、タコ足配当が3~6か月続く、また、基準価格が落ちてくる、流入資金もマイナスになる、などの現象があると、危険サインなので、その場合は、売却するかもれません。

 

今後5年

成長率が高い、アジアの株式で、しかも高配当の株式を対象にしているので、今後5年は少なくとも、成長が続くと予想しています。

高配当だと、3-4%程度の株式があります。

 

現状ですが、買い付けて、2週間と少したちました。

分配金が、約27万出て、また投信の値段があがったため、現状の利益は約+40万となってます。 二週間で+67万はうれしい値です。

毎月、今後のトレンドを見ながらチェックしていくことになります。

なお、同じ銘柄で成功する保証はありませんので、あくまでも考え方を参考に、銘柄を選ばれると良いです。

 

まとめ

毎月分配型投資信託について、ダメなのか、メリットはないのか、検討しました。

毎月分配金がいる人にはメリットがある投資方法で、人気があるため、資金流入も続いております。

実績データも出しましたが、今後5年、あるいはそれ以上の期間でどうなるかは、なかなか見通せないです。

その中で、今ダメな銘柄と良さそうな銘柄を紹介しました。

ただ、投資対象がひとつだとリスクがあるので、毎月分配型投資信託と他のものを合わせた分散投資が良いと考えます。

あとは、じっくりご検討の上、自己責任でご対応ください。

 

 

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